週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

東急不動産 オフィスビルの屋上菜園化でワーカー満足度向上 「ベジスマ」を都内4棟に拡大

2021.01.06 13:40

 東急不動産(東京都渋谷区)が保有する都内4棟のオフィスビルの屋上空間で、菜園活動「Vegetable Smiles(ベジスマ)」を本格的に展開する。
 「ベジスマ」は、東急不動産が掲げるオフィスビル事業のコンセプト「building smiles はたらく人を笑顔に。」を実現するべく、同社のオフィスビルで働くワーカーの満足度向上施策の一環。テナント間のコミュニケーション醸成を目的としたビルの屋上活用策として「新目黒東急ビル」で始められたもの。この取り組みによってこれまでなかった社内外のコミュニティが生まれているといい、また、就業時間の合間に外気や自然光、土に触れてリフレッシュすることで、労働生産性向上にもつながると期待されている。
 また東急不動産では緑の持つ力を活用した新しい働き方の提案として「Green Work Style」を提唱している。これまでの実証実験では、開放感のある緑豊かな空間での休憩が疲労感やストレスの低下をもたらすことや、緑が癒しを与える効果があることに加え、働く意欲やコミュニケーション向上に繋がることが確認されている。
 「ベジスマ」ではこれまでトウモロコシやブドウ、スイカをはじめとした約50種類の野菜や果物を栽培してきた。これらの作物は栽培や収穫活動をするだけでなく、収穫作物を利用した加工品作りなども行い、テナント間のコミュニケーション醸成を図ってきた。また、こうした個人消費だけでなく、ビル内の飲食店舗のオリジナルメニューに活用することにも挑戦している。加えてオフィスビルに勤務するワーカーだけでなく、地域住民や近隣の保育園に通う子供たちに向けた環境教育の場としても活用するなど、様々な取り組みを行っている。
 今後はビル内で排出された生ごみをコンポストで再利用し、新たな作物生産の肥料として活用するなどの循環を生むことで、環境に配慮したビル運営を推進する。




週刊不動産経営編集部  YouTube