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2019年の屋上緑化は19.7ヘクタール 国交省が屋上・壁面緑化調査結果を発表
2021.01.12 11:45
国土交通省は、「全国屋上・壁面緑化施工実績調査」の2019年における調査結果を発表した。
「全国屋上・壁面緑化施工実績調査」は国交省が2000年から行っているもので、調査対象は全国の造園建設会社、総合建設会社、屋上・壁面緑化関連資材メーカーなど計539社。今回の調査期間は2019年11月~2020年1月で、276社から回答(回答率51・2%)を得た。
屋上緑化および壁面緑化は、ヒートアイランド現象の緩和や都市の低炭素化のみならず、人々に安全かつ利用が容易な緑地空間を提供するために全国的な取り組みが進められている。今回の調査における屋上緑化の施工面積は約19・7haにのぼった。これはソーシャルディスタンスとして人との距離を2m取った場合でも、約5万6936人が過ごせる面積に相当するという。壁面緑化の施工面積も約7・5haにのぼっている。
特徴的な傾向として挙げられるのは、ホテルや宿泊施設を含む「その他サービス・娯楽施設」における壁面緑化が、建物用途別での割合・施工面積ともに過去最高(8・8%、6598㎡)となった点。近年のインバウンド需要を見越して外壁やエントランスの壁面等を緑化した事例も見られた。
また「工場・倉庫・車庫」における屋上緑化が、建物用途別での割合において過去最高(24・9%)に。商業施設でよく見られる様々な植栽を組み合わせた「複合植栽」による壁面緑化が、植栽タイプ別の施工面積において過去最高(1万8934㎡)となったことも特徴的としている。
同調査を開始した2000年からの20年間で、屋上緑化は約537ha、壁面緑化は約103ha行なわれたことになる。屋上緑化の単年あたりの施工面積も、令和元年は前年と比べて約3・2ha増加。壁面緑化の単年あたりの施工面積は、令和元年は前年と比べて約2・5ha増加した。