不動産トピックス
今週の一冊
2011.11.14 15:30
日本の不動産は「みにくいアヒルの子」なのか
日本の不動産 急浮上が始まる!
著者:大谷 洋司
出版:かんき出版
発行:平成23年8月9日
価格:1600円(税別)
本書は、ドイツ証券のアナリストで、マクロ経済の観点や歴史観の裏付けなどを重視した分析に定評のある著者が、日本の不動産の過去や現在について分析し、10年後どうなっているかという予想図を示しており、不動産所有者や今後の不動産購入や投資を検討する人たちにとっての必読書だ。
「日本の不動産は『みにくいアヒルの子』なのか」という表現を用いて、日本の不動産マーケットに対する代表的な弱気な発言である「人口減少問題」という論拠は間違えているということや、ミニバブルが崩壊した要因はリーマン・ショックではないこと、東日本大震災後も東北6県での建物倒壊の目立った被害はなかったこと、そのような事態でも不動産マーケットにおいても投げ売りなどといったパニックのようにはならなかったことを挙げ、日本の不動産の展望は明るいと説いている。
また、東京の主要な再開発計画の各事例や、防災に強い街作りなどの話題にも触れ、不動産所有者にとっては自らの持つ不動産とマーケットが直接関わっていることなどを実感することができる内容である。