不動産トピックス

今週の一冊

2011.09.26 17:20

モデルケースから起こりうる相続トラブルへの対策を紹介

サラリーマンのための相続トラブル対策
著者:木村金蔵、林充之、鯨井規功、日野上達也
出版:幻冬舎メディアコンサルティング
発行:平成23年9月21日
価格:1200円(税抜)

 自分には相続なんて関係がないと考える人は多いが、相続は誰しもが経験する可能性を十分にはらんでいる。特に、不動産を保有する資産家にとって相続は、資産の規模によって相続税が関わってくる非常に大きな問題となる。
 しかし、わが国では被相続人が健在の時から相続対策を真剣に検討するという習慣が一般化しているとは言い難い。それは、人の死についての日本人の古来からの考え方が大きく関わっているが、相続対策は実際に相続が発生していから行うのでは対応が遅いと言わざるを得ない。本書は木村金蔵氏を中心とする4名の税理士が、相続の重要性を解説した上でいかに対策を講じていくかを述べている。
 相続対策を行う目的の一つとして、親族間でのトラブルの回避が挙げられる。本書ではモデルケースを基に、相続税の基礎から資産規模に応じた相続対策、必要となる書類の作成、正しい遺言書の作成法など、被相続人・相続人の双方の立場から行う相続に関するトラブル対策を紹介している。不動産経営者にとっては、相続対策の有無は次代の経営実務にも多大な影響を与えるだけに、自身が十分な知識を蓄積するとともに、税理士など信頼できるパートナーとの協力を実現していただきたい。




週刊不動産経営編集部  YouTube