不動産トピックス

クローズアップ 内装用壁材編

2011.08.08 14:29

 色合いを少し変えただけでも部屋のイメージががらりと変わる壁の意匠は、室内の印象を決定づけるといって過言ではない。今回は意匠性のみならず、ユニークな機能性を有した室内用壁材をセレクト。ビルの差別化に、また価値の向上に壁材の重要性を見直そう。

ワンオンワン 半永久的に高い効果持続 ホタテ利用の高機能塗料
 ワンオンワン(東京都港区)の「AJエコウォール」は、壁や天井に塗布するだけで臭いや有害物質を吸着分解する内装材。原材料には天然のホタテ貝殻を使用し、産業廃棄物のリサイクルにも貢献している。
 同製品はホタテ貝殻がもつ、臭いを吸着分解する特性を利用した塗料。原材料は100%天然素材で、抗菌・除菌効果やカビ・ダニの発生も抑制し、シックハウスの原因となる空気中の有害物質やウイルスも分解。さらに煙草の煙も吸着分解する。喫煙所などでも使用されており、効果を発揮しているという。
 臭いや有害物質を吸収するだけの製品とは異なり、効果は半永久的に持続。一般的な光触媒式の壁紙などとも異なり、空気に触れる場所であれば光が当たらなくても効果を発揮する。同社代表取締役の中嶋宏一氏は「優れた性能とエコロジーを両立させた、社会的にも意義のある製品です」と話す。
 また下地を選ばずに施工できるのも特徴。ビニールや布のクロス、ボード、木材など、既存の壁材の上からも施工できる。塗料は水性なので、ハケやローラーで塗布するだけと施工も簡単。一方で、一度乾燥すれば強靭さを発揮し、汚れにも強い。珪藻土などと異なり、ぽろぽろと剥がれ落ちることもない。特別なメンテナンスは必要なく、水拭きも可能。万が一傷が付いた場合や汚れが激しい時は、塗り直しなど部分的なリペアも可能で、長く使用できる。カラーは白やベージュ、グリーンなど全9色を用意。いずれも明るい色調となっている。

シンコールインテリア 国内初、量産クラスの壁紙に機能追加
 壁紙のランクは、一般的に大きく3つに分けられる。素材や意匠にこだわったプレミアムな製品、戸建住宅などで使用されることが多い一般的な製品、そして、普及品として大量に使用されている量産クラスの製品。シンコールインテリア(東京都港区)が展開する「SL+PLUS」シリーズは、国内で始めて量産クラスに機能性を付加した壁紙だ。
 同シリーズは、既存の量産クラス製品「SL」シリーズの価格はそのままに、機能性を付加した製品。「不燃タイプ」3点のほか、「低VOC(揮発性有機化合物)タイプ」16点、「抗菌タイプ」14点、「表面強化タイプ」2点の計35アイテムをラインアップする。なかでも壁紙表面のひっかき傷などに配慮した「表面強化タイプ」の強度は、JIS規格での最高強度である5級を獲得している。いずれも既存の量産クラス製品とは一線を画し、機能性壁紙のネックだったコストを解決した製品といえる。
 素材には、施工しやすく、技術的にも確立されている塩ビを使用。同社代表取締役の堀岡正典氏は「施工性を含めた『扱いやすさ』と『機能』を兼ね備え、価格は量産品クラスを実現しました」と話す。
 いずれも使いやすいベーシックなカラーとテクスチャーで、オフィスや住宅はもちろん、様々なシーンで使用できそうだ。

住友スリーエム 意匠性と吸音性能を兼ね備えた内装材
 これまでも吸音性能を持つ内装仕上材には一定のニーズがあったものの、従来の吸音材は厚みがあることに加え、意匠性も低く、一般的なオフィスや会議室などに使用することは難しかった。住友スリーエム(東京都世田谷区)では、精密機器などに使用することを前提として開発された薄さ1mmの吸音材を活用することで、従来の吸音材の厚みに関する問題を解消。同社の内装仕上げ材ブランドである「ダイノックフィルム」と同等の意匠性と吸音性能を兼ね備えた「ダイノック吸音フィルム」を販売している。
 同製品の使用が想定されるのは、オフィスの会議室や役員室、あるいは病院といった一定のプライバシーが必要とする箇所。会議室においてはTV会議や電話会議を行う際に、耳障りな反響音を防ぐ効果もある。 トミタの「ART WALL LEGEND(アートウォールレジェンド)」コレクションは、「壁紙の概念を超えて壁面に新しい価値観を創造する」というコンセプトのもとに生まれた高級壁紙シリーズ。日本の伝統的な技が創り出す楮(こうぞ)や金箔・銀箔、桐に、素材の魅力をさらに引き出す新たな技法を加え、1枚1枚丹念に手加工した壁装材だ。
 ラインアップは3種類。力強価値観をく美しい素材「楮(こうぞ)」にこだわり、新たなテクスチャーを追求した「KOZO」シリーズは、職人の感性と技で表情豊かに仕上げた楮100%の和紙。手で加工することで1枚ごとに表情が異なり、ハンドメイドならではの魅力が溢れるという。
 伝統の技術で作り出された金銀箔を生かした「KINGIN」シリーズは、息を止めながら、1枚ずつ金銀箔を手で貼っていく伝統の技を継承。薄絹を重ね合わせた「古代絹」や、金銀箔に古色仕上げを施した「摺箔」など、金銀箔の新しい世界を創出した。
 「KIRI」シリーズは、桐の表情を生かした製品。木肌を生かしてスライスした桐を象嵌細工のように貼り合わせた。桐そのものの自然な光沢感と、木目の方向により表現される陰影が空間に奥行きを与えるという。
 シリーズは全てハンドメイドで、1枚1枚の表情も異なる。日本の伝統技術や美意識を大切にしているという同社では、同シリーズを現代の空間に生きる「新しい壁装材を追求したコレクション」と位置づける。海外でも評価され、ブランド店舗や高級ホテルなどでも使用されているという、ビルの雰囲気を変える製品だ。受注生産。
 「ダイノック吸音フィルムボードタイプは4月に販売し、ボードタイプと比較して簡単に施工することができるマグネットシートタイプは5月に販売を開始しています。これらの製品に加えて、9月後半には不燃材料の認定を取得したボードタイプとシートタイプをが販売する予定となっています。従来の吸音材にはない薄さ、そして意匠性の高さが評価され、商業店舗やオフィスでの使用に関するお問い合わせを頂いています」(コンストラクションマーケット技術部 マネジャー 深沢 祐二氏)

トミタ 日本の技が創り出す「壁紙を超えた壁紙」
 トミタの「ART WALL LEGEND(アートウォールレジェンド」コレクションは「壁面の概念を超えて壁面に新しい価値観を創造する」というコンセプトのもとに生まれた高級壁紙シリーズ。日本の伝統的な技が創り出す楮(こうぞ)や金箔、桐に素材の魅力をさらに引き出す新たな技法を加え、1枚1枚丹念に手加工した壁装材だ。
 ラインアップは3種類。力強く美しい素材「楮(こうぞ)」にこだわり、新たなテクスチャーを追求した「KOZO」シリーズは、職人の感性と技で表情豊かに仕上げた楮100%の和紙。手で加工することで1枚ごとに表情が異なり、ハンドメイドならではの魅力が溢れるという。
 伝統の技術で作り出された金銀箔を生かした「KINGIN」シリーズは、息を止めながら1枚ずつ金銀箔を手で貼っていく伝統の技を継承。薄絹を重ね合わせた「古代絹」や、金銀箔に古色仕上げを施した「摺箔」など金銀箔の新しい世界を創出した。
 「KIRI」シリーズは、桐の表情を生かした製品。木肌を生かしてスライスした桐を象嵌細工のように貼り合わせた。桐そのものの自然な光沢感と木目の方向により表現される陰影が空間に奥行きを与えるという。
 シリーズは全てハンドメイドで、1枚1枚の表情も異なる。日本の伝統技術や美意識を大切にしているという同社では、同シリーズを現代の空間に生きる「新しい壁装材を追求したコレクション」と位置づける。海外でも評価され、ブランド店舗や高級ホテルなどでも使用されるという、ビルの雰囲気を変える製品だ。受注生産。




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