不動産トピックス
クローズアップ ブラインド編
2011.07.18 17:18
窓からの夏の強い日差しをさえぎるために、ブラインドを設置するビルも少なくないと思う。だが意外にも、製品によっては、遮熱以外の機能を持つものもあるようだ。今回はバラエティに富んだ機能のブラインドを取り上げてみた。
東京ブラインド工業 吸音機能のブラインド 気軽に後付け採光性も
東京ブラインド工業(東京都港区)では、吸音機能の高い素材をスラットに採用した、吸音ブラインド「フェルトーン」を販売している。
同製品は、高機能の吸音材と、バーチカルブラインドを組み合わせることで誕生した。特に、室内の反響する音を吸収する機能に優れており、1kHz帯では、入射音のおよそ80%を吸収し、外部からの進入音はおよそ6dB軽減させることができる。
従来の防音製品といえば、オーディオ室や音楽練習室など、大掛かりな工事が必要なものが一般的だが、同製品はブラインドタイプであるので、取り付け時間も約1~2時間と、手軽に後付け設置が可能だ。 同じ防音機能をもつ窓まわり製品の防音カーテンと比較すると、採光性や操作性において優れている。
また、カーテン生地で吸音材をカバー加工するというオプションも用意し、デザインのバリエーションも広げることができるという。特注すればリバーシブル加工も可能である。
大きな音が出る音楽練習室や保育園などのほかに、会議室や商談室、ロビーラウンジなど、落ち着いて話せるような場所などにも適しているという。
立川ブラインド工業 光に合わせて角度を自動調節 賢く採光省エネ実現
立川ブラインド工業(東京都港区)では、環境や省エネルギーに配慮した角度変化型の「グラデーションブラインド」を開発・販売している。
スラット(羽根)のピッチを、上部から下部にかけ閉じるようにグラデーションをかけることによって、室外からの太陽光を、天井面により広く反射させることができる点が大きな特徴である。 太陽光を活用して室内を明るくすることができるので、照明器具用の消費エネルギーを約3割削減できるという。同製品は「太陽自動追尾・角度調整プログラム」という制御システムを利用して、時刻、季節や天候によって刻々と変わる太陽光が室内に入る角度にあわせて、スラットの角度を自動調節している。
同社の法務広報課長である梅田直氏は、製品について次のように説明する。
「太陽自動追尾・角度調整プログラムは、当初は企業の自社ビルに多く取り入れられていましたが、4、5年ほど前からは大規模なテナントビルからの受注も多くいただいています。自社ビルと比べると、テナントビルでは入居テナントごとの事情が異なるため、製品に関するご要望は多岐にわたります。たくさんのお客様からのご要望に応えるために、スラット角度を制御するプログラムのさらなる開発は欠かせないと実感しています」
なお、今後はさらなる省エネ技術の普及に向けて、今までのように大規模ビルのみならず、中小規模のビルに向けても積極的に販売促進を展開していくという。
三協立山アルミ ブラインド内蔵二重ガラス 機能充実内側も掃除簡単
三協立山アルミ(富山県高岡市)では、二重ガラスの間にブラインドを内蔵させた、回転断熱窓「エルミン窓」を販売している。
機能性に富みデザインも美しく、取り扱いやメンテナンス、施工などが簡易であることが大きな特徴だ。ブラインドが内蔵されているため、日差しに対する遮蔽性が高い。
シンプルな構造のステンレス製回転軸は優れた耐性を持ち、横軸で2点を支えているので、地震などによる枠のたわみにも追従性を発揮する。
アルミ形材は内外の枠、障子材とも断熱材で分離されているため、二重ガラス構造とともに、高い断熱性を保ち、結露防止にも効果を発揮する。リンケージロックのハンドルとアームを分離することで、窓の180度回転することができ、外側のガラス面を室内から清掃することが可能だ。ブラインドのある内側もワンタッチで開くことができ、清潔さを手軽に保つことが可能である。
内蔵ブラインドの操作方法は、標準タイプが1本のひもを使って操作するエンドレスブラインドだが、オプションとして、ブラインドの自重で降ろすミニコンブラインドと、電動ブラインドがある。