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ヒューリック 中規模オフィスビルの新シリーズを展開 フロア占有型フレキシブルオフィス「Bizflex」
2021.02.08 11:49
ヒューリック(東京都中央区)は1月29日、新たに中規模フレキシブルオフィス事業に取り組み、「Bizflex by HULIC」の名称でシリーズ展開すると発表した。賃借面積の見直しや拠点の分散・縮小等を進める企業が増える中、こうした変化に柔軟に対応できるオフィスの需要が高まると予測している。
「Bizflex」は、柔軟性と機能性・グレード感を兼ね備えるハイブリッドな賃貸オフィス。「借りやすく返しやすいオフィス」、「すぐに使える先進のオフィス」、「生産性向上をサポートするオフィス」をコンセプトに、中規模ビルを新築、または既存物件を改修することで事業を推進する。
借りやすく返しやすいオフィスを目指し、賃料は水光熱費やインターネット費用等を含むサブスクリプション方式を採用。最短3カ月から賃借が可能で、敷金も不要なため短期間の利用や急な移転にも対応できる。内装や什器備品を標準設置し、入居退去の際に発生する工事費用や業務負担も軽減する。
先進のオフィス環境を提供するために、実績豊富なデザイン事務所・Gensler(米国・サンフランシスコ市)と協働。フロア占有型として独立性を確保するとともに、1・5倍程度までの増席を想定した柔軟性あるレイアウトを採用する。専有区画とは別に共用会議室等のシェアスペースを設けることでコミュニケーションを活性化させ、新耐震基準の1・25倍の耐震性能を実現することで安全性も確保する。
従来のオフィス選択では建物や設備などの物理的なスペックが重視されてきたが、今後はDXによるサイバー環境が重視されると予見し、生産性向上をサポートするサイバーフィジカルオフィスの実現に挑戦する。デジタルプラットフォームとなる独自アプリを開発し、すべての物件に導入。アプリは外部のクラウドサービスと連携できるオープンシステムを採用し、テナントをサポートする独自サービスを順次追加するとともに、入居後もサイバー環境をアップデートする。
すでに都内3カ所で事業化が決定しており、第1号案件の「(仮称)麻布十番計画」は基準階面積72坪で今年8月に竣工する予定。続く「(仮称)六本木計画」は同じく50坪で2023年3月、第3号案件の「(仮称)浜松町計画」は45坪で、2023年12月の竣工を予定している。
今後は東京都心の主要駅に近い立地において、延床面積1500~3000㎡程度の規模で年間5棟程度の供給を目指す。現在、都内3カ所での事業化が決定し、成長期のベンチャー企業や短期利用、コストの合理化等を求める企業の利用を見込んでいる。