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福岡「今泉公園前プロジェクト」が竣工 コリビングスタイルホテルを核とした複合施設
2021.02.15 12:26
NTT都市開発(東京都千代田区)が福岡市中央区今泉1丁目で開発を進めていた「今泉公園前プロジェクト」が竣工した。クリエイターやスタートアップをターゲットとし、情報発信の拠点となることをめざす。
同施設は敷地面積777㎡、延床面積3850㎡、地上10階地下1階の複合施設だ。福岡の商業中心地である天神地区に隣接し、近年個性豊かな店舗が集積するエリアである福岡・今泉に立地。地域住民から「三角公園」と呼ばれる今泉公園に面している。
3~9階にはUDホスピタリティマネジメント(東京都千代田区)が経営し、The Ascott Limited(シンガポール、アスコット社)が運営するホテル「lyf Tenjin Fukuoka(ライフ天神福岡)」が6月16日に開業。1~2階にはNTT都市開発が開発・運営するシェアスペース「(仮称)LIFORK 今泉」が地方都市へ初進出する。屋上には今泉公園を見渡せる、開放感のあるバーが入居する予定。
「ライフ天神福岡」は、アスコット社が運営する日本初進出のコリビングスタイルホテル。運営もターゲットも、2000年代以降に成人した「ミレニアル世代」を中心とした。様々な分野のクリエイティブな発想を持ったゲストを結び付ける空間で、これまでにない過ごし方を提供。福岡やシンガポールを拠点とする複数のデザイナーのコラボレーションにより、唯一無二のデザインを実現する。コンパクトでスタイリッシュな客室は全131室。共用スペースでは定期的にソーシャルプログラムを開催し、ホテルを通じて新たな形でコミュニティの発展を育むという。
開発コンセプトは「CREATOR×CULTURE×COMPLEX ~公園と一体的となり福岡の文化を体感できる複合施設~」。公園に面する1~3階の低層部には外気を取り入れられる大きな開口を設けるなど、開放的で心地よい空間を提供する。宿泊するだけでなく働く環境を整えたコワーキングラウンジ、飲食可能なテラスにより、ウィズコロナ時代における新しい生活様式にも対応する。
建物のコンセプトは「PARK&NEST」。公園(PARK)に開かれた巣(NEST)のような場に、人々が集まってくることをイメージした。設計パートナーは日建設計(東京都千代田区)とSUEP.(東京都世田谷区)。今泉公園側の外観には、複雑な幾何学パターンが特徴的なキャストアルミのファサードに大小様々な開口を設けた。このファサードが低層部から徐々に壁面緑化されることで、時間をかけて公園と一体的な関係が熟成していく景観をつくり出す。またこのファサードは水が循環し、緑と水で足元空間を涼しくする環境装置にもなっている。
また施設周辺にはゆったりとした歩行空間を設け、歩行者が同エリアを回遊する際の快適性の向上にも寄与する。