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大林組 壁面緑化や太陽光発電利用する制震システム開発
2011.01.17 16:19
大林組(東京都港区)は、建物外周に取り付ける壁面緑化や太陽電池、外装材などを利用して、建物の耐震性能を向上させる新しい制震システム「HMS(hula massーdamper syastem フラマスタダンパーシステム)」を開発した。
今回開発した「HMS」は、壁面に設置する緑化や太陽電池といったエコ改修の環境装置を、高減衰ゴムを介して水平方向に動くように建物に取り付け、揺れを打ち消す「おもり」として働かせることで、耐震性能を向上させる。大林組技術研究所において実施した同システムの4分の1スケールでの性能確認試験では、地震などの大きな力に対しても、「HMS」非装着時に比べて20%から40%の低減効果が得られて、耐震性能が向上することが可能であることを確認している。
また、ブレースや耐震壁などによる耐震改修を別途に行う必要がないため、従来の制震システムに比べて設置個所に関する意匠上の制約が少なく、開放感や絶望を損なうことがない。加えて、建物の外周での工事だけでエコと耐震の改修を同時に行うことができ、室内空間への影響がなく、居抜きでの施工も可能となり、工期の短縮も図ることができる。
同社は、すでに都内の新築物件において、ダブルスキン、緑化パネル、太陽光電池などを「おもり」として利用した「HMS」の適用を計画中である。