不動産トピックス

クローズアップ 赤水対策編

2011.01.10 16:54

 ビル設備の中で、給排水管は重要な役割を担っている。しっかりとメンテナンスを行わないと水道管の中で赤さび等の汚れが発生してしまい、ビル内の衛生面で問題となるだろう。普段は忘れがちな給排水管のメンテナンスだが、この機会に実施してみてはいかがだろうか。

日本システム企画 独自開発の工法で配管工事のコストが10分の1に削減可能
 ビル内の水回りの給水管や、空調設備の空調管に赤さびが発生した場合、配管の取替えを行う。その場合、取替え作業のため工事を行う必要があり、工事を行うための、時間とコストがかかる。またビルの耐用年数やビルに入居企業の業務に差し支えることなどを考え、取替え自体を断念してしまうビルオーナーも少なくないであろう。しかし日本システム企画(東京都渋谷区)が発売している配管内防錆装置「NMRパイプテクター」は、同社が独自に開発したNMR(核磁気共鳴)工法を採用することで、大がかりな工事や必要もなくなり、コストも一般的なビルの配管工事の10分の1で収まるそうだ。
 NMR(核磁気共鳴)とは病院のMRI(断写真撮影用)でも導入されている技術で安全性が高い。
 NMRは、N極とS極に分極している水素の原子核にある特定の電力を与えることで、水素の原子核に共鳴振動を起こし、回転させる現象のことである。この現象によって配管内に流れる水を放電水へと変化させ、この放電が連続的に行われることで赤さびを黒さびへと還元される。
 「同製品は外部設置を行うため、断水などを行う必要もありません。ビルの配管の取替え工事のが難しい大型商業ビルや、工事にかかるコストを抑えたいと考えるビルオーナーのニーズに合った商品だと思っています」(熊野氏)
 また同製品は昨年の11月に英国の高級ホテル「ロイヤルガーデンホテル」の空調冷温水管に導入された。実は同製品は英国のバッキンガム宮殿、英国国会議事堂など多数の導入実績がある。英国は日本と比べ、ビルや建物の耐用年数が長いため、歴史的価値の設計の物などは給水管や空調管の工事が難しい点がある。その英国で多く認められた実績は同製品の防錆・延命の効果の高さを表している。

エコ・セフティ ステンレス鋼採用で赤水防止に効果的 配管の接続部分に新しい工夫を取り入れる
 エコ・セフティ(東京都千代田区)は給水管、排水管の内部が甦るパレス式水処理装置「ウォーターサポート」を発売した。同製品は、給水管にコイルを11巻きし、変換機によって100Hzから8000Hzまで変調された微弱電流を与えて、磁界と電界エネルギーを発生させる。その磁界と電界エネルギーによって、配管内に流れる水にマイナス帯電を与え、小粒子結晶に変化する。この小粒子結晶によって配管内の赤水除去及び防止効果、黒さび化による配管内の更正延命を可能とすることになる。
 また装置はアウトライン方式で、設備の停止や配管工事も不要となっている、その他に、電力消費も20W前後と非常に少なく、あらゆる化学物質や塩分を使われてない点などは、環境問題を考慮した優れた製品であるといえる。
 同製品はビル・マンション等の飲料配管の赤水対策はもちろんだが、ボイラー、工業排水、井戸、市水配管のスケール除去・防止などの給水設備の配管にも効果が期待できる。しかし、小型ボイラーにおけるスケールはく離効果や、飲食企業の入居店舗などに洗剤清掃でなければ落ちなかった油汚れも、同製品で処理した水を染み込ませたぞうきんで、油汚れが簡単に清掃できる。またトイレの尿石除去とアンモニア臭の軽減効果など、幅広い分野で利用することが可能だ。

明和工業 高い耐久性誇る配管システム
 明和工業(新潟県新潟市)では建築配管システム「グロージョイント」を発売した。配管・ジョイント部にステンレス鋼を使用している。そのため腐食による赤水防止に効果があり、温度環境や圧力に対し高い耐久性を持ち、最高使用温度/100度、最高使用圧力/2・0MPa(20・4kgf/c㎡)の条件に対応できるなど、丈夫で長期的に使用できるため、メンテナンスの手間を軽減することができる。
 このように、同製品は材質も優れ、衛生面でも安心できる。しかし、その他にもう1つ特徴がある。それは配管施工において大きな手間である「継手接合」が簡単に施工できることだ。同製品はそれぞれの配管の接続部分を挿して回すだけで良い。そのため、複雑な工具などを使用することなく、誰でも簡単、安全に施工することができる。また、配管の更新工事を実施する際や、大きな工具が入りにくいスペースでも、作業を簡潔にすることで時間短縮にもつながり、工期短縮によるコストダウンにも貢献することが可能となっている。また、同製品はストッパーのカラーバリエーションにより、配管の区分も簡単に行うことができ、、同社ではビルの現場にあわせた設計・製作も対応しているとのことだ。

MJP タンクに浸けるだけで赤水の防止効果を発揮
 MJP(東京都豊島区)は配管のタンク内に浸けるだけで赤水の防止効果を発揮する「ウォーターマックス」を発売した。
 同製品は天然鉱石である「貴宝石」を基本素材として、光触媒と抗菌材をブレンドした「抗菌セラミックスボール」と、磁化水を作る「高性能磁石」を組み込んでいる。これらの素材の組み合わせによって電気分解作用、イオン作用などが発生し、これにより飲料水を強力な還元水化させることが可能となる。この還元水には赤さびを不働態である黒さび化させ、腐食の進行を止める働きがあるため、同製品をビルの受水槽、貯水槽、冷却塔などに浸けるだけで赤水対策が行えることとなる。また活性化された還元水には、スケール(水垢)をはく離、除去する効果もある。
 さらに「抗菌セラミックボール」には雑菌の増殖を抑制するため、感染菌(レジオネラ菌・Oー157)の発生防止が可能となる。
 その他にも同製品の設置によって、天然ミネラルが供給され、ビル内の水をミネラルウォーターにすることで、入居者の健康推進にも役立つことにある。
 同製品の導入は配管のタンク内に浸けるだけなので、配管・電気等の付帯工事やメンテナンスなどは必要無く、水道本管に接続する必要もない。
 同社は赤水対策を実施することで、入居者の健康を守ると同時に、建物の資産価値を守ることにつながるとしており、今後も同製品の販売を展開していく方針としている。




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