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山下PMC クラウド型サービス「BEAMap」スタート 専門知識なしに条件や収支などを検出可能

2021.04.19 17:23

 山下PMC(東京都中央区)は3月17日に発表した「b―platformR」に続き、クラウド型サービスの第2弾「BEAMap(ビーマップ)」を発表した。建物の自動規模算出とそれに応じた不動産事業収入を連携させ、ワンストップで実現する。利用者は地場の不動産会社や、デベロッパーの営業担当者、金融機関の不動産投資融資担当、若手の一級建築士、ビルオーナーや土地所有者、また建築不動産に興味のある一般ユーザーなどを見込む。
 「BEAMap」では事業用建物の建設を検討する際に必要となる、計画地での建築法規制を満たす建物規模の算出(ボリューム検討)、周辺賃料相場の把握、事業計画作成などを各分野の専門家による検討を介さずに一定の精度で自動検出することができる。不動産・金融分野の専門知識がない建築士や、逆に建築分野の専門知識がない不動産・金融分野の担当者が専門領域の垣根を越えてワンストップで事業検討を行うことが可能となる。
 同社では「BEAMap」の提供によって、4つのビジョンを目指す。効率化を促す「作業からの解放」、設計業界と不動産業界の専門知識の偏りを無くす「WIN―WIN」の関係の構築、適切な投資を促すことによる「賑わい」づくり、また業界外の人も「建築の楽しみ」を体験できるようにすること、などとなっている。
 取締役専務執行役員の木下雅幸氏によると「当社が事業を展開する中で、設計・建築業界と不動産業界で分かれている一連の業務をワンストップで行えるサービスがあれば作業の効率化につながるのでは、という場面を多く見てきました」と話す。加えてそのようなサービスが開発されることで「魅力があるにも関わらず、都市の空白地になっている場所を有効活用することができる、よりよい街づくりに貢献できるのではと考えました」とする。そのことが今回の「BEAMap」開発につながった。
 代表取締役社長の川原秀仁氏は「開発に足かけ3年をかけてきました。BEAMapは土地購入や開発事業の可否を判断するハードルを下げる画期的なサービスとなっています」と話す。第1弾の「b―platformR」とともに、今後の導入進捗が期待される。




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