不動産トピックス

今週の一冊

2021.04.26 11:13

贈与の想いを失わないために

税理士のための相続税Q&A 贈与税の特例

著者:飯塚 美幸
発行日」2021年3月31日
発行所:中央経済社
価格:3400円(税別)

 贈与税の解説本ではなく贈与税の特例のみで本1冊。税金とは複雑で面倒な実務だ。昔の外国小話「ある税務署職員が予防注射を受けるために病院へ。順番が来たら注射器を持ったスタッフがひと言『税務署の方ね?お待ちしておりました』とニヤリ」。
 税金対策を税理士に任せきりの経営者も多いだろう。ある税理士は「経営者は弁護士の説明には耳を傾けるが、税理士の説明は『任せる』と聞く耳持たず領収証の山を丸投げされる」と嘆いていたが、税金の知識は経営者ならずとも身につけて損ではあるまい。
 さて本書は贈与税の特例をまとめた1冊であるが、その前提として必要な知識も得られるケーススタディQ&A方式。「毎年、息子に下宿代などを贈与していますが、同じ額を毎年同日贈与では贈与税が高くなるそうですがなぜですか」「それは誤解です」。明快だ。ちなみに見出しは「贈与税の都市伝説」。税金や特例制度の名称は漢字が並びとっつきにくいが難解というわけではない。贈与税制の緩和が見直された背景も解説。コラムには「税法と民法の違いに注意」、「ライフテーブルを作成しよう」など初心者にも優しい一冊。巣ごもり連休に読み進めてみよう。




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