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三菱地所レジデンス初の取り組み 病院を老人ホームにリノベーション
2021.04.26 11:43
三菱地所レジデンス(東京都千代田区)が、病院を老人ホームにリノベーションするプロジェクトを開始する。
「京都市中京区西ノ京塚本町計画」は、病院を取得してリノベーションを実施し、有料老人ホーム「仮称・プレザングラン京都円町」にコンバージョンするプロジェクト。有料老人ホームの運営はケア21(大阪市北区)に委託し、2022年4月の開業を予定している。病院を老人ホームへリノベーションする事業は、三菱地所レジデンス初の取り組み。
物件は敷地面積1961㎡、延床面積3865㎡、鉄骨造地上4階。JR山陰本線「円町」駅より徒歩8分で、JR「京都」駅まで直通10分と交通利便性に恵まれた立地だ。もともと病院施設と有料老人ホーム施設は親和性が高く、かつ取得物件が築10年であることからリノベーションを行うこととした。外構部分だけでなく、談話コーナーなどの共用部、動線やレイアウトなどは残し、大きな変更なく進めることができているという。
今回のリノベーションのコンセプトは「HOME×TOWN」。入居者にとって各居室を「HOME=家」、共用部分を「TOWN=街」と捉え、暮らしが少しでも変化に富んだ豊かなものとなるようデザインする。元が病院であったため、スタッフルームが建物の中心ある利点を活用。スタッフルームの外周に80室の居室を配し、スタッフがすぐに駆け付けることができるようにする。
食事を摂るスペースにも配慮する。従前は各居室か、3階と4階に設けられた狭いスペースで食事を摂っていたが、リノベーション後は1階に厨房と広いダイニングを設置。入居者が集まってもゆとりをもって食事ができ、自然に入居者同士の交流が生まれる空間を実現する。また、2~4階の建物中央に談話コーナーを設けることで、入居者同士のコミュニティ形成を促進。スタッフルームが隣接しており、安心感の高い設えとする。
三菱地所レジデンスでは、高齢化の進展を背景に有料老人ホーム事業を拡大。現在、首都圏で18物件を手掛けている。関西支店では1物件が開業中で、さらに今回の物件のほか3物件の有料老人ホーム用地を取得済み。今後も増大するヘルスケアアセットのニーズに対応していく構えだ。