不動産トピックス

クローズアップ エレベーター編

2010.05.24 16:45

 「エレベーター」の高機能化が進んでいる。エレベーターはオーナーが思う以上にテナントからよく見られているため、エレベーターをリニューアル・高機能化することは、テナントの流出防止にもテナントの誘致にも有効だ。各社最新モデルのエレベーターは、LED照明や抗菌ボタン、センサーを利用した挟まれ防止機能など、様々な新機能を採用している。また、省電力や工期短縮を大幅に実現する、東芝エレベータの「油圧式エレベータの制御リニューアル」などにも要注目だ。

東芝エレベータ 工期の大幅な短縮と省電力を実現する
 東芝エレベータ(東京都品川区)は、従来より大幅に工期短縮でき、省電力となる規格形油圧式エレベーターの制御リニューアルを開発し、サービス提供している。
 この方式はエレベーターのかご室を残して既存品を最大限に活用し、必要な部分のみを交換することで消費電力の少ない最新のロープ式マシンルームレスエレベーターにリニューアルするというもの。
 リニューアル工事を行う課程で、エレベーターの連続停止期間や改修費用は重要な課題となっているが、以前は全撤去工事か準撤去工事のみで行っていた油圧式リニューアルを、新工法では、かご室をはじめとする既存品を最大60%活用することで、長時間エレベーターを停止させることなく、リニューアル工事を実施する。ランニングコストを抑えながら大幅な省エネ効果とCO2削減が期待できる。
 平成21年9月に施行された、改正建築基準法施工令で規定された制動装置の二重化、戸開き走行判定装置などの「戸開走行保護装置」や、予備電源を設けた地震時管制運転装置の設置が標準化されているのはもちろんのことであるが、工期が大きく短縮できるというメリットは大きく、工事による連続停止期間に、約3週間かかっていた全撤去工事を、この商品を採用すれば、最短約1週間で終えることが可能となる。

三菱電機 ウイルス抑止柄機能付き空気清浄機やLEDなど機能充実
 三菱電機(東京都千代田区)は、国内販売台数の約7割を占める主力製品である、標準形エレベーター「AXIEZ(アクシーズ)」の仕様を拡充し今年4月21日より発売している。
 新仕様の「AXIEZ(アクシーズ)」には、オプションとして天井照明にLED光源が追加され、照明の消費電力が従来の蛍光灯照明に比べ50%以上を削減できる。また、クリーンで快適なかご室が目指されており、抗菌加工をした「抗菌押しボタン」が、かご内や乗り場に用意されている。
 かご室の壁全面を保護するオプションの「プレミアムウォール(壁保護幕)」や「プレミアムフロア(床保護マット)」、かご内の「手すり」等も全て抗菌仕様である。クリーンで快適なかご室空間を提供するために、「ウイルス億世機能付き空気清浄機」も搭載可能である。さらに、表示機器もより見やすいように改良。乗る前に、乗場からかご内の安全を確認できる「乗場液晶モニタ」や、エレベータの運行情報を分かりやすく表示する「乗場液晶インジケータ」が用意されている。
 ドア周りの安全性の向上が図られており、出入口全面に赤外線のマルチビームドアセンサを搭載。人や荷物の挟まれを防止したり、ドアの開く速度を減速して戸袋への引き込まれを防止する「気配りドア」機能も搭載されている。

日立製作所 搭乗時間と待ち時間を短縮する可変速ドライブシステムを搭載
 日立製作所(東京都千代田区)は、快適性・安全性の向上と環境への配慮を目的に、標準型エレベーター「アーバンエース」を販売している。同製品には、搭乗時間と待ち時間を短縮する「可変速ドライブシステム」や「ひもの挟まれ検出機能」等が標準装備され、LED天井照明のラインアップも追加されている。
 可変速ドライブシステムは、乗りかご内の乗車率を検知後、乗りかごとつり合いおもりのバランスを調整し巻き上げ機にかかる負担が小さい場合に、巻き上げ機の能力を有効活用、定格速度以上の速度でエレベーターを運転する。同システムの利用で、定格速度での運転と比べ、乗車時間と待ち時間を大幅に短縮できている。
 かご内に乗り降りする人を検知するマルチビームドアセンサーに加え、エレベーター戸の先端部に感圧センサーを用いたラインキャッチセンサーが設置されている。
 ラインキャッチセンサー付きマルチビームドアセンサーによる「ひも挟まれ検出機能」などは非常に便利で、ペット用のリードや掃除機のコードなど、太さ3mm以上の紐上の物が戸に挟まれていることを検知した場合、再び戸が開く。また、ひも状のものが床を這っている場合でも、検知することが可能となっている。

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