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「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター2」着工 産業遺産保存や森の再生など独自の取組みも推進
2021.06.21 13:57
ESR(東京都港区)は14日、マルチテナント型物流施設「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2」を6月1日に着工したと発表した。
同施設は、横浜市金沢区に立地するダブルランプウェイ式のマルチテナント型物流施設。免震構造の地上4階、延床面積19万5373㎡で、2023年1月末の竣工を予定している。
同じ敷地内に物流施設2棟を建設する計画で、隣には1棟目の「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1」が、2022年1月末の竣工を目指して建設中。総投資額は2棟合計で約1000億円を見込んでいる。
敷地南側には、東京湾に面したガントリークレーンが残る。貨物船から岸壁へ、荷物の積み卸しに長年使用されていたガントリークレーンを産業遺産ととらえ、この地域の記憶を継承するアイコンとして保存する計画だ。照明デザイナーによるライトアップと、プロジェクションマッピングでガントリークレーンを演出することを検討しているという。
また、同施設で働くワーカーのために快適な環境とサービスを整備。休憩ラウンジを南北2カ所に設けるほか、ラウンジ内には食事や飲み物などを販売するショップもオープンさせ、南ラウンジに直結するテラスや屋上スカイデッキも設置する計画だ。さらに、子育て世代の支援策として託児所を開設し、女性用パウダールームやフィットネスルーム、シャワー室等も完備する。
ESRではSDGsやESGを重視し、持続可能な物流施設の開発に取り組んでいる。今回は生物多様性を守る取り組みとして、敷地内に30年ほど前に植樹された木々や池を生かし、形成された生態を守るため、ランドスケープデザイナーを起用し「金沢の森」を再構築する。花や実のなる樹木を植え、子供も大人も楽しめるローラー滑り台やツリーハウス、鳥の巣箱や昆虫・小動物の住みか、水際のウッドデッキなどを設置。憩いの場となる様々な仕掛けを施すことで、潤いのある施設づくりを目指す。