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熊本自身の被災マンション建替え2例目「グランピアニュースカイ前マンション」解体へ
2021.06.21 14:00
旭化成不動産レジデンス(東京都千代田区)と長谷工不動産(東京都港区)は11日、熊本地震によって被災したマンションの建替え事業をスタートさせると発表した。同地震による被災マンションの建替えは2例目という。
両社が参加組合員として進めている「グランピアニュースカイ前マンション建替事業」は本年5月に権利変換認可を受け、6月1日に解体着工した。同マンションは1987年竣工。延床面積4975㎡、地上11階、77戸、店舗1戸の分譲マンション。2016年4月に発生した熊本地震により南棟が大きく南側に傾斜。ジャッキアップでの復旧も検討されたが、施工が困難であることなどから断念。外壁タイルには多数の亀裂が生じ、玄関扉の開閉が困難な住戸も出ていたため建替えを検討してきた。しかし建替え検討が本格化するまでに地震発生から3年近くの期間が経過しており、住民の中には新たな住まいを取得し、再建したマンションを取得しない区分所有者も多い。従前の区分所有者のうち再建マンションを取得する予定となっているのは約15%にとどまる。
今回の建替え事業では、これまでマンション建替えを数多く手掛けてきた両社が事業協力者に選定された。両社はそれぞれの強みを生かし、建替組合と協力しながら事業を推進。コロナ禍のただ中にあった昨年5月の建替決議を経て、今回の解体着工を迎えた。
建替え後は延床面積4846㎡、地上14階、住戸78戸のマンションに生まれ変わる。2022年4月に本体着工を予定し、24年3月の竣工を目指す。