不動産トピックス
クローズアップ レンタルオフィス・シェアオフィス編
2021.07.12 10:15
働き方改革にコロナ禍と、「仕事する場所」をめぐる環境がめまぐるしく変化している。ここでは生産性向上と働く人のニーズをくみ取るレンタルオフィス・シェアオフィスの最新情報をお伝えしていきたい。
SYNTH 「シンス×ビジネスエアポート 西梅田ブリーゼタワー」9月開業へ準備着々
大阪中心部の堂島や北浜、三重県四日市市でレンタルオフィス、サービスオフィス事業を展開するSYNTH(大阪市北区)は、東急不動産(東京都渋谷区)との共同事業として、大阪・西梅田の超高層ビル「ブリーゼタワー」に新施設「シンス×ビジネスエアポート西梅田ブリーゼタワー」を9月上旬に開業する。
今回出店するのは、「ブリーゼタワー」低層部の商業区画「ブリーゼブリーゼ」内の1・2階。この区画には全国展開の有名セレクトショップが出店していたが、コロナ禍の影響を受け撤退。1年ほど空室期間が続いていたという。SYNTHの田井秀清社長は「『大阪』駅や『梅田』駅といったターミナルと地下通路で直結し、ロケーションは抜群です。元々は商業向けの区画ですが、ビジネス利用のニーズの受け皿としても非常に魅力的な場所と感じました」と述べ、出店を決断。東急不動産が展開する「ビジネスエアポート」との共同事業へと至った。両社は2017年より提携を行っており、共同事業として施設を開設するのは今回が初。ビジネスエアポートは関西初出店となる。施設内は専用個室のサービス付きレンタルオフィスのほか、会員向けのラウンジスペース、ミーティングルームなどで構成され、1階には英国発祥の本格コーヒーブランド「コスタコーヒー」のカフェスペースも設けられる。このカフェスペースは会員のほか一般客も利用が可能だ。
現在は9月の開業に向け内装工事が着々と進められている。施設で特徴的といえるのが、商業施設の路面区画特有の開放感ある1階の天井高と明るい開口部、そして1階と2階をつなぐエスカレーターである。会員専用の空間にはフラッパーゲートを設置し、高いセキュリティを実現する。昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、賃貸ビルの中でも特に飲食・物販の商業店舗は厳しい状況に晒されている。田井氏は「今回の出店が商業施設で発生した空室を解消し、施設全体の価値を高める先進事例になれば」と意気込みを語った。
WeWork 2施設10月オープン 「日比谷フォートタワー」と「カブトワン」に
フレキシブルオフィスを展開するWeWork Japan(東京都港区)は7日、「WeWork 日比谷FORT TOWER」と「WeWork KABUTO ONE」を10月にオープンすると発表した。
「WeWork 日比谷FORT TOWER」は、都営地下鉄「内幸町」駅、東京メトロ「霞ヶ関」駅と地下道で直結する「日比谷フォートタワー」の4~11階に開設される。同ビルは今年6月に竣工し、日比谷、霞ヶ関、虎ノ門、新橋の結節点となる場所に位置する。デスク総数は2035席を予定。そのため小規模オフィスから100名以上のオフィスまで、柔軟に対応できる高い拡張性が特徴となっている。
一方の「WeWork KABUTO ONE」は、国家戦略特区プロジェクトとして認定されている兜町・茅場町再開発プロジェクトの第一弾として、新たに茅場町のランドマークタワーとなる「カブトワン」ビルの9~10階に開設される。東京メトロ「茅場町」駅に直結し、「日本橋」駅にも徒歩3分の恵まれたアクセスとなる。総デスク数は約950席を予定し、再開発が進む日本橋兜町の活気の中でビジネスの活性化を支援する。
同社のミッションは、「誰もが自分らしく働き、共に挑戦できるコミュニティを創造する」こと。新たな2拠点においても柔軟で多様な働き方をサポートし、イノベーションやコラボレーションが生まれるコミュニティを提供したいとしている。