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大成のDX警備ソリューション 「ugo TS シリーズ」を活用し運用開始

2021.07.26 14:52

 総合ビルメンテナンス会社の大成(名古屋市中区)は、アバター警備ロボットの開発を手掛けるugo(今年5月にMira Roboticsから社名変更、東京都千代田区)と、「品川シーズンテラス」の運営・管理業務を担当する品川シーズンテラス(東京都港区)の3社合同で、次世代型アバターロボット「ugo TS シリーズ」を使用してビル警備の実証実験を行ってきた。今年4月からは、従来の警備ロボットよりもバージョンアップした「ugo TS シリーズ」を活用するDX警備ソリューションの運用を開始。立哨警備と巡回警備で警備員の一員として活動している。
 同実験は直感的な遠隔操作とAI技術を用いた自動モードを併せ持つ「ugo TS シリーズ」をビル内に配置して、警備員の有効的な配置や移動時間の削減による効率化、人材不足の解消といった警備面における業務プロセスの構築を目指すもの。約1年以上の実証実験を経た結果、「ugo TS シリーズ」2台が立哨警備・巡回警備を行うことで警備員4人の削減へ繋がった。また警備ロボット導入のハードルであった初期導入コストも大きく削減することに成功。同ロボットはエレベーターを利用するフロア移動も可能なため、急な警備員の欠員を埋めることも可能である。
 従前からビルメンテナンス業界や警備業界では人手不足が課題としてあり、同業界へのロボットの導入・活用がかねてから注目されていた。しかし従来の単一動作型ロボットでは、ビル及びフロアごとに異なる環境や仕様、サイズ感等に対応できず、作業範囲も限定的。人が必ず補助・サポートに入らなければならず、初期投資額や運用費も含めると、コスト増になるケースも見られる。これらの課題を解消しつつ、効率化や警備業務のサポート等を実現したのが「ugo TS シリーズ」を活用するDX警備ソリューションである。
 また大成が開発する警備業務を一元管理できる情報プラットフォーム「T―Spider」を活用したDX警備ソリューションは、デジタル化した情報でデータベースを構築。かつ報告書を作成しオンラインで確認が可能だ。日々の業務課題の抽出や分析等でスピーディな対応も可能となる。更にデータを活用した分析により、防災センター及び警備会社本部、管理会社も含めた3社間で情報を共有、より効果的な管理運営を実現する。今後大成は「T―Spider」をアップデートしていき、ugo TS シリーズとの連携だけではなく、同社が取り扱う監視カメラやセンサー等との連携を目指し、警備員1人当たりの更なる生産性の向上から管理コストの低減を図っていくとのこと。加えて警備業界にとどまらず、人材不足を抱える様々な業界での可能性を模索していく。




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