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三菱地所 「常盤橋タワー」竣工 東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」始動
2021.07.26 14:53
三菱地所(東京都千代田区)と関係権利者で共に開発を進めてきた「TOKYO TORCH」が本格始動した。第一弾の「常盤橋タワー」が竣工を迎え、オフィスも9割が内定。コロナ禍以降、劇的に変化した働き方に対応する新時代のオフィスビルが誕生した。
三菱地所は6月30日、「東京」駅日本橋口前で関係権利者と共に開発を進めてきた「TOKYO TORCH(街区名称)」の第一弾プロジェクト「常盤橋タワー」の竣工を発表。街区中央に位置する大規模広場「TOKYO TORCH Park」や大型の商業ゾーン「TOKYO TORCH Terrace」等も有しており、更なる街の魅力向上に期待される。
「TOKYO TORCH」は「東京」駅の日本橋口前、敷地面積約3万1400㎡で進行する大規模再開発プロジェクト。既存の「日本ビル」や「旧JXビル」、「大和呉服橋ビル」、「朝日生命大手町ビル」等を解体した跡地に、今回竣工した「常盤橋タワー」をはじめ、高さ約390mの「Torch Tower」や変電所棟、下水道局棟を建設する。「常盤橋タワー」は「旧JXビル」と「大和呉服橋ビル」の跡地で建設され、「東京」駅徒歩1分、東京メトロ「大手町」駅からはコンコースで直結予定(来年1月供用開始予定)。規模は地上38階地下5階で、延床面積は約14万6000㎡。高さは212mと同ビル竣工時点において、「東京」駅周辺では最も高いオフィスタワーとなる。地上3階~地下1階までは商業ゾーンとなり、オフィスは37階~9階まで。8階にオフィスサポートフロアを設けた。ちなみにオフィステナントは、クライム、クラレ、東京海上ホールディングス、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、古河機械金属、古河電気工業、古河林業、医親会 海上ビル診療所をはじめ、9割の入居が決定と高稼働での竣工を迎えた。
就業者向けの共用サービスの充実や什器付きのサービスオフィス、コンファレンスルームの構築、環境負荷低減に係る各種取り組みなど、魅力や強みは様々。特にフェンリル(大阪市北区)と共同開発した、快適な働き方をサポートする就業者専用アプリ「TOKYO TORCH App for 常盤橋タワー」を三菱地所では初めて導入する。同アプリでは、スマートフォン・手かざしによる非接触セキュリティ認証や3階の「MY Shokudo」における席予約・注文・決済などが可能。また8階コンファレンスルームの予約・決済と、同階就業者ラウンジ内のカフェから執務フロアへのカフェデリバリーと決済、「TOKYO TORCH」内のイベント情報の受信等を得ることができる。
今月19日には「常盤橋タワー」のプレス向け内覧会が行われ、会の冒頭で吉田淳一社長が登壇し「コロナ禍以降、リモートワークや在宅勤務が定着し、働き方もこれまでと大きく変化してきました。効率化やオンラインによるミーティング等で時間短縮を図ってきたものの、フェイストゥフェイスで会話する機会が減り、またオープンイノベーション等の価値も高まってきた今、改めてオフィスの在り方や重要性が見直されてきたと思います。『TOKYO TORCH』は、新しいオフィスの在り方を提案する場になれば」と語った。商業ゾーン「TOKYO TORCH Terrace」は当初7月21日より順次開業予定であったが、緊急事態宣言の発令に伴い開業は延期。今後の経過を見て、開業するとのこと。