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Reqree 布施エリアに新シェアオフィス開業 「仕事×旅×交流」のワーケーションも提案
2021.08.23 15:30
SEKAI HOTELとも連携、エリア活性化促す
リモートワークが浸透し、働く場所が多様化している。受け皿となるシェアオフィスも郊外等でのオープンも増えた。そこにワーケーションを加えることで多様な需要を引き出す試みが大阪で始まった。
Reqree(大阪市北区)はシェアオフィス・コワーキングスペース企画運営代行事業を展開する。今月18日に東大阪市・布施エリアにシェアオフィス「Reqree Vellenord(リクリーヴェルノール)」をオープンした。同社にとって郊外エリアでのシェアオフィスは初の取り組みとなる。
近鉄「布施」駅から徒歩2分の場所にある商業施設「ヴェル・ノール布施」。この3階フロアに「リクリーヴェルノール」がオープンした。これまでシェアオフィスを展開してきた知見を生かし、ラウンジや集中スペース、カフェスペースから、4~12名の入室に対応できる会議室を3部屋、オンラインミーティングなどで利用できるフォンブース4室、そして専有部として利用できるシェアオフィスと揃えている。
エリア内は大学など文教機関も多いことから、これまでのベンチャー企業やサテライトオフィスとしての需要に加えて、学生起業家などの需要にもつなげていく方針だ。
大阪でもワーケーション 交流でイノベーション促す
そのなかでシェアオフィス業界として初の試みにも挑戦していく。それが「まちごとワーケーション@東大阪」だ。
ワーケーションは、観光地やリゾート地で宿泊しながら仕事をする、というリモートワークの一種。JTB総研はワーカーや企業にとってのメリットを次のように挙げる。
「ワーカー(従業員)にとっては、働く場所の自由度が高まるだけでなく、働く環境や時間など多様な働き方が可能になり、休暇取得推進や、健康の維持・増進の機会になる。企業側にとっては、従業員の休暇取得推進のほか、普段と異なる職場環境の整備により、従業員に創発の機会や場の提供、生活習慣改善などの健康啓発の場の提供が可能になる」(公式HP『観光用語集』より)
不動産業界でもこの分野への取り組みは進む。たとえば三菱地所ではこの分野に参入し、深耕している。
一方で高室氏はワーケーションのあり方として「必ずしもリゾート地や観光地でなくても知らない街の文化を体験できれば成立するのでは」と指摘する。たとえば東京の人が大阪に行くことも働く場所の自由度を高めることができる。そして「まちごとワーケーション」のポイントとして挙げるのが「コミュニケーション」だ。「異なる知識同士が掛け合わせることによって、初めてイノベーションが起こります。今回の取り組みではこの『コミュニケーション』の創出に力を入れました」。
今回、東大阪市・布施にオープンした「リクリーヴェルノール」では地元で「まちごとホテル」をコンセプトに一棟貸し宿泊施設「SEKAI HOTEL」シリーズを展開するSEKAI HOTEL(大阪市北区)と連携。昼間は「リクリーヴェルノール」で仕事をしたり、観光を楽しみながら、夜は「SEKAI HOTEL」にて社員同士のコミュニケーションを深めることができる。また「SEKAI HOTEL」では提携している地元商店街のお風呂は銭湯で朝食は喫茶店でとることができることから、住民とのコミュニケーションも可能だ。
Reqreeでも今回の取り組みを行う前に、自社でも布施でワーケーションを実施。参加した執行役員の岡田華奈氏は「昭和レトロな非日常体験の旅を楽しみながら執務ができました。また様々な形での交流があり新しいアイデアも発想しやすい環境でした」と話す。
今回のシェアオフィス開設や「まちごとワーケーション@東大阪」は行政からの期待も高い。オープンした18日にはReqree・高室氏と東大阪市長の野田義和氏がトークセッションを開催。野田市長は「若い人たちが仕事や何かを創り出す拠点として布施の街を選んで頂く、これはすごく大きい期待をしています」と期待感を示す。
高室氏は様々な取り組みを通して「地元産業の活性化にも貢献していきたい」と話す。ワークスペースの提供から派生していく独自の取り組みの成果に注目したい。