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レプス 需要高い不動産投資型CF向けシステム「不特法クラウド」約1年で10サービスに導入
2021.09.06 12:06
業界内で参入熱が高まっている不動産投資型クラウドファンディング事業。その事業を行うために不可欠のシステムにも注目が集まっている。そのなかでレプス(京都市下京区)が昨年7月より展開している不動産投資型クラウドファンディングシステム「不特法クラウド」が注目を集めている。展開から約1年で導入数は約10サービスにのぼっている。
同社は2017年に創業。ウェブ制作会社でキャリアを積んできた代表取締役の堀公亮氏が独立。ウェブ制作やシステム開発、マーケティング、コンサルティングなどの事業を展開してきた。
不動産投資型クラウドファンディングのシステム開発に乗り出したのは、2018年のことだった。堀氏は「この当時、滋賀県の不動産会社である日本プロパティシステムズ様から不動産投資型クラウドファンディング事業について相談があり、当社がシステム開発でプロジェクトに関わっていくことになりました」といきさつを話す。日本プロパティシステムズは2019年に滋賀県初の不動産特定共同事業の許可を取得。レプスと開発したシステムを用いて、現在「わかちあいファンド」の名称で事業展開を行っている。
「不特法クラウド」はここで開発されたシステムをベースにして誕生した。
クラウドファンディングシステムを開発・展開している企業は多くあり、競争環境も厳しくなっている。そのなかで順調に導入を広げている「不特法クラウド」の強みはどういったところだろうか。
ひとつは預託対応を行っている点だ。たとえば、Aという物件を組み入れたファンドが運用期間を終了した後に、新たにAを組み入れた新ファンドを再組成する際に、既存出資者が優先的に出資することができる。
加えて「面前契約」にも対応できる。不動産投資型クラウドファンディングはインターネットを介しての契約が主流となっているが、不慣れな高齢者にとっては投資の機会を逸していることもある。面前対応を可能にすることで、より投資家の裾野を広げることに寄与している。
また「不特法クラウド」は売り切り型ではなく、随時アップデートも行い今後必要性が高まる機能などは一律に提供していく。堀氏は「導入企業様とはシステムの運用を通して、どのような機能にニーズがあるのかをフィードバックして頂いています」と話す。またこれら以外にも同社ならではのサービスもある。
「当社はSNSなどを活用したウェブマーケティングも得意としています。クラウドファンディングの認知度向上や、出資者の募集に際してSNSは大きな武器となります。参入企業の社員の方にそのようなノウハウを提供していくことも行っています」(堀氏)
今後も不動産業界では規模を問わずクラウドファンディング事業への参入は継続することになりそうだ。「不特法クラウド」への需要もじわりと高まりそうだ。