週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

コスモスイニシア 初のレンタルオフィス完成

2018.11.19 17:33

ビルは売却前提・再生事業の新たな核に
 コスモスイニシア(東京都港区)が展開するレンタルオフィスのブランド「MID POINT(ミッドポイント)」の第一弾となる施設が、20日にオープンする。
 「ミッドポイント目黒不動前」は、コスモスイニシアが取得しリノベーションした築22年の8階建てビル「リードシー目黒不動前ビル」の5~8階部分を占める。もともと某企業が自社ビルとして使用していたもので、5~7階に1人用ブース、2人用ブース、2~3人用ブースを計67区画用意し、8階には入居者が利用できるラウンジやテラス、キッチンなどを設けた。1階には飲食店を誘致し、2~4階は一般のオフィスとして賃貸する予定。
 今回の施設オープンはコスモスイニシアのソリューション事業の一環で、「リードシー目黒不動前ビル」はリーシングを終えて利回りを上げた後、1年後以降を目途に売却する構想。同社執行役員の藤岡英樹氏は15日に開催された内覧会で「投資用不動産の開発・運用・活用部門は最も伸びている分野。今後さらに伸ばしていきたい」と話す。コスモスイニシア初となるレンタルオフィス事業進出の背景については「フリーランス人口の増加やテレワーク等のオフィス環境の変化」を挙げ、不動前エリアにおけるレンタルオフィス物件のニーズの高さも理由のひとつとした。
 他施設との差別化については、ニッチである「住宅立地における付加価値・サービスの高さ」を補完できる施設の構築を目指し、「準都心立地」、「都心より安価」、「高付加価値」、「職住近接」といった点を商品特徴に掲げる。スタートアップが多い渋谷・五反田エリアからも近く、東急沿線からの集客も見込めるという。10月末に入居者募集を開始した5、6階はすでに約20区画への申し込みがあり、リーシングも上々という。
 レンタルオフィスの運営はコスモスイニシアにとって初でもあり、今回の事業はテスト的な位置づけでもある。「ミッドポイント目黒不動前」の実績をもとに事業規模や開発頻度を見極め、いずれは長期保有を前提に取得したビルや新築ビルへの導入も検討していきたいとしており、レンタルオフィス事業の発展に意欲を見せた。
 なお施設全体の企画・運営はコスモスイニシアと乃村工藝社(東京都港区)が共同で行い、8階ラウンジの運営はPolaris(東京都調布市)が、イベントの開催などは3社が連携して実施する。建物の売却後、施設はコスモスイニシアを借主とするテナントとして入居し運営を続ける予定。




週刊不動産経営編集部  YouTube