不動産トピックス
クローズアップ 雷対策編
2009.10.26 14:14
今年は大型の台風が日本に上陸し、各地で大きな被害が出たのは記憶に新しい。また、近年流行語として取り上げられたゲリラ豪雨も各地で大きな被害を発生させている。これらの影響はどうしても水害に関心が行きがちだが、実は天候不良に伴う雷発生による被害も甚大な物である。今回はその対策製品を紹介する。
サンコーシャ 分電盤に設置し雷害防ぐ LAN対応製品も備え屋外の電子機器を保護
サンコーシャ(東京都品川区)は落雷によってビルの電気設備に被害が及ぶことを防ぐ電源用保安器を販売している。
同社の電源用保安器は、JIS規格の直撃雷サージ、誘導雷サージに対応した電源回路用SPD(避雷器)である。
直撃雷対応製品は保護レベルI(直撃雷200kA)が要求する雷防護性能を有しており、雷の発生回数が多い地区においても設置可能な、高性能の製品である。
一方、誘導雷対応製品は、回路の構成に応じ、さまざまな種類の製品を取り揃えている。また、素子タイプの製品もあるため、より設置場所・環境を選ばない点が魅力である。
この製品は、ビルの分電盤に設置することで、雷による高電圧で電気設備が故障することを防ぐ。設置スペースも小さく、分電盤の中に余裕があれば、設置に大掛かりな工事なども必要ない。
また、同社ではこうした一般的な避雷器以外に、LANケーブル用の避雷器も用意している。
LANケーブルといえば、一般的にはオフィス内で使われているものと考えがちですが、最近ではビル等の監視カメラなどの接続に使われていたりもするため、高額な電子機器を守るためにも対策の必要性が高まっています。当社はこれらの避雷器を設置することによって、雷による予想外の大きな損害を防ぐ提案を行っていきます」(村上氏)
エム・システム技研 ネットワークケーブルを落雷による被害から守る
エム・システム技研(大阪市西成区)は、このたびギガビットイーサネット(1000BASE-T)とPoE(Power over Ethernet)の両規格に対応したEthernet用避雷器(形式・MDCAT)を開発・製品化している。
同社では、このジャンルにおける避雷器としては、すでに10BASE-T/100BASE-TXの通信規格に対応した製品を発売している。
だが、徐々にギガビットイーサネットに対応したパソコンが発売され始めていることに加え、近年は、企業の危機管理意識が高まり、セキュリティ対策の一環として監視カメラの設置が増えている。
それに伴い、LANネットワークだけでデータ通信と給電が可能なPoE対応のWebカメラが使用されるようになってきている。このようにEthernetの使用環境が日々変化するなかで、新しい通信規格に対応した避雷器のニーズが高まっていることにより、開発されたもの。
MDCATは通信への影響を最小限に抑えており、規格で決められている最大ケーブル長100mで、CAT5eの通信試験に合格している。
ビル内にはテナントが使用するOA機器意外にももさまざまなパソコンが使われている。その中には管理室やオーナーの事務所なども含まれており、それらへの被害も心配される。
また、屋外には防犯・監視用のカメラもこのネットワーク回線で接続されている。これらビルの重要な資産である電子機器を雷の被害から守る製品として、注目が集まっている。
エースライオン 太陽光発電を雷から守る 直撃雷と誘導雷に対応 費用に応じて選択可能
エースライオン(東京都荒川区)はさまざまな種類の雷対策関連製品を販売している。
同社の発売する製品群の一つに、太陽光発電システムを雷から守る製品がある。
太陽光発電システムは、パネルが屋外に露出していることもあり、雷の影響を受けやすい製品である。雷によって急激に高い電圧がかかることで、パネルではなく送電・蓄電系統に故障が発生する恐れがある。これを防ぐ方法として回路内に同社の販売する「デーンガード」シリーズを設置することで、重要な電気系統に高い電圧がかかることを回避し、故障を防ぐのである。
また、雷には直接避雷針などを通して被害を及ぼす直撃雷と、空気中で高電圧の状態の雲から被害を受ける誘導雷の2種類があり、直撃雷の方がかかる電圧は大きい。
同社の太陽光発電システム用避雷器「デーンガードPV」シリーズの価格は、誘導雷に耐えるクラスⅡの機種が7万円で、直撃雷にも耐え得るクラスⅠのタイプが25万円となっている。
「太陽光発電システムは高額であるため、雷による被害も大きなものとなります。太陽光発電システムを導入する際には避雷器の設置は必須といえるでしょう」(飛澤氏)