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「旧九段会館」の保存・復原工事が12月に完了 重厚な雰囲気のオフィスやカンファレンス、ビジネスラウンジに

2021.11.08 14:23

 有形登録文化財「旧九段会館」を一部保存して建て替える「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」の全体竣工に先駆け、保存棟(旧九段会館部分)の保存・復原工事が12月に完了する。東急不動産(東京都渋谷区)と鹿島建設(東京都港区)が発表した。
 プロジェクトのコンセプトは「水辺に咲くレトロモダン」。「旧九段会館」の一部を保存・復原するとともに、地上17階地下3階のビルを新築。新築棟ではオフィスを中心とした高度利用を一体的に図ることで「旧九段会館」に新たな価値を与えるとともに、歴史と自然が息づくまちづくりの実現を目指す。
 保存棟(旧九段会館)部分は建物に補修・補強を加えた上で、新築部分を融合させる。工事過程では、職人技が感じられるデザインの工夫や、現代では入手困難な貴重な素材がいくつも発見されており、日々軌道修正を行いながら試行錯誤を繰り返してきたという。
 5階建ての保存棟(旧九段会館)は1階に会員制のシェアオフィスを設置し、場所にとらわれない多様な働き方をサポート。2~4階には、保存部分の重厚な雰囲気を残しつつハイグレードなセキュリティサービスを備えた小規模オフィスを設置。新築棟地下1階に計画している食堂やシェアオフィスと連携したサービスを提供する予定。
 また2~3階には、創建時の姿を再現した宴会場「鳳凰」と「真珠」を保存・復原した。いずれも創建時の照明や装飾品を可能な限り復原しており、登録有形文化財としての歴史的価値を後世に残すと同時に、昭和初期のモダニズムを感じさせる空間づくりを図っている。一般利用が可能なカンファレンス施設等として、ビジネスの発展を支援する。
 2階の応接室・役員室として使われていた部屋は貸し会議室として生まれ変わる。90年前の雰囲気そのままの空間は、他のオフィスビルにはない上質な時間を演出する。4階には「旧九段会館」の歴史がわかるギャラリーを設置。昭和から今に続く歴史の重みを感じられる場所として、「旧九段会館」の軌跡を後世に残す。
 5階屋上には、ワーカーの憩いの場に特化した屋上庭園と専用ラウンジを設置。屋上庭園は生物多様性に配慮し周辺環境と合わせた植栽を配置するだけでなく、仕事の合間のリフレッシュにも活用できる健康家具を設置するなど、心身の健康維持・向上を図る。ワーカー専用のラウンジは歴史を感じることのできる落ち着いた雰囲気で、多様なビジネスをサポートする。
 新築棟も含めたプロジェクト全体の開業は、2022年7月以降となる予定。




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