不動産トピックス
編集後記
2009.06.22 17:16
東野圭吾の作品に「名探偵の掟」という単行本がある。10年前の作品だが、今読んでも実に新鮮な内容に感じられると同時に、今にも通じる痛烈な皮肉を感じ取れる。ミステリー作品における暗黙の条件を面白おかしく描写しているが、翻って著者のミステリーに対する愛情と不満が表裏一体に表れているのが分かる。作品中に描かれている「作者」は、読者を楽しませるために、お約束を頻出させるのだが、読者、そしてスポンサーの顔色を窺うあまりに何ら独創性の無い作品を生み出す。はたして、それは読者や社会への貢献になるのだろうかと考えざる得ない。