週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
ヒューリックの都市型商業施設第7弾は木造ビル 「HULIC&NEW GINZA8」
2021.11.22 11:18
ヒューリック(東京都中央区)が展開する都市型商業施設「HULIC&New」の第7弾となる「HULIC&New GINZA8(ヒューリックアンニュー ギンザエイト)」が完成した。耐火木造の12階建て商業施設としては、日本初となる。
同ビルは中央区銀座8丁目に土地を取得し開発事業を進めてきたもので、立地は東京メトロ銀座線「銀座」駅から徒歩6分。商業集積地である銀座・中央通りに面した敷地に建つ。建物は敷地面積252㎡、延床面積2459㎡、木造・鉄骨造地上12階地下1階。物販・診療所・サービス用途の木造ハイブリッド高層商業施設。「HULIC&New」シリーズとして、銀座エリアでは初の展開となる。
スレンダーなプロポーションの建物ながら、12層の木造架構を耐火集成材の柱・梁で実現した。さらに、CLT(直交集成板)や集成材を用いた制振壁や防振柱など様々な木造木質技術を用いた「木造+鉄骨造」のハイブリッド建築であり、ヒューリックでは都市木造のあり方を大きく前進させる建物と位置づけている。外装材にも木材を利用し、「これからの都市・建築の姿」を銀座から発信するとしている。
貸室は木構造体である耐火集成材の柱・梁、CLTの天井が現しとなっており、木の温かさを生かした内装としてそのまま使用できる。中央通に面したファサードは天然木のルーバーをあしらい、銀座の町並みに佇むような繊細で柔らかな表情を意識した。
機能面では、災害時・非常時の対応として約72時間連続で共用部やテナント区画への電力供給を行える非常用発電機を設置。また耐震性能を有し、粘性体ダンパーを利用した制振装置や木防振柱、CLT合成床版を採用し、風などによる振動を抑制し居住性を向上させている。