不動産トピックス

クローズアップ デジタルサイネージ編

2009.06.15 10:41

 大型の商業施設などを良く見てみると、ディスプレイ型の看板が設置されていることに気付くだろう。従来の看板に替わり、設置台数を増やしているデジタルサイネージであるが、現在も技術進歩を続けており、各社さまざまな特長を有した製品を販売している。今回はそのデジタルサイネージの最前線を特集する。

サイバーステーション ASP形式の採用によって安価で電子看板を導入可能
 サイバーステーション(石川県金沢市)は、ASP形式である「デジタルサイン」を展開している。
 デジタルサイネージ導入にあたって、まず大きな問題となるのはイニシャルコストだろう。一般的なデジタルサイネージでも数百万円からとなっており、導入におけるメリットよりも金額の面のデメリットが勝ってしまい導入まで至らないというケースも多い。
 サイバーステーションが4月から展開している「デジサイン」は、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)形式でのサービス提供となっており、必要な機器は動画配信端末と動画配信店舗サーバ、あとは表示モニタのみ。動画配信端末と動画配信店舗サーバ、どちらの価格も1台5万円。これにASP初期設定費用だけでデジタルサイネージを導入することができ、導入におけるイニシャルコストを安価に抑えることが可能となる。
 また、ASP形式なのでネットワークを介して天気予報やニュースなどの最新情報も配信することができるのも同サービスの強みとなっている。
 機器に関してはパソコンの周辺機器大手メーカーであるアイ・オー・データ(石川県金沢市)との提携により、高い信頼性を担保している。
 「今年の4月から展開している当社のデジタルサイネージサービスですが、商業施設への導入例なども増えています」(滝川氏)

サイレックス・テクノロジー ワイヤレスで動画と音声を一斉配信 最大32台のディスプレイに配信可能
 サイレックス・テクノロジー(京都府精華町)が展開している「MVDS X-2T/X-2R」は、ワイヤレスで動画と音声を一斉配信ができるデジタルサイネージである。
 従来の有線形式のデジタルサイネージの場合、複数台のディスプレイに映像を配信する際、ケーブルなどの取り回しなどの問題でディスプレイの配置が困難な場所が発生することがある。こうした問題点をクリアしたのが、ワイヤレスで配信可能な同製品である。
 「6月末に発売を予定していますので、国内での導入事例はまだありませんが、アメリカでは先行して発売しており、無人ガソリンスタンドへの導入事例などがあります」と同社マーケティングコミュニケーショングループの佐藤氏は話す。
 同製品のシステムとしてはパソコンなどの映像ソースをMVDS送信機から配信。ディスプレイに表示する。
 最大で32台のディスプレイに配信することができるので、店舗内のディスプレイなどはもちろん、学校やセミナー会場での講義といったケースに対応する。
 また、同時発売の製品として遠隔地から複数拠点にあるMVDSを監視および操作ができる「MVDS Manager/Agent」も用意。万が一ディスプレイの故障などが起きた場合にも対応可能だ。

NEC長野 タッチパネル内蔵ディスプレイ 検索情報のデータ蓄積マーケティングに活用
 NEC長野(長野県伊那市)は、タッチパネル内蔵液晶ディスプレイ「LCD3210-TC(J)」を発売している。
 同製品は、見るだけのデジタルサイネージとは違い、タッチパネルを内蔵しており、情報発信のみならず「情報検索機能」を提供することが可能なディスプレイである。
 特に従来の見るだけのディスプレイでは把握することが難しい視聴している人数を、タッチパネル形式にすることで、一定量把握することが可能となっている。
 「当社の製品はタッチパネル形式なので、ログデータを蓄積することができます。このログデータを利用することで、マーケティングなどに活用することもできますので、例えば飲食店舗の人気メニューの把握や、商業施設におけるアクセス数の多い店舗の把握などが可能です」と営業部担当部長の坂本氏は話す。
 同製品はすでに空港や駅、ホテルなどにも導入されており、利用者が知りたい情報を自ら検索できるので、業務の効率化も図ることができるとのことである。
 また、カメラを設置することで、人などが映ると自動的に検索画面に切り替わる機能も備えており、ディスプレイに人が近づくと検索画面に切替えるといった使用法も可能となっている。

PAGE TOPへ