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不動産価値の向上に貢献するレンガ積み工法 メンテナンスフリーの外壁リフォーム

2018.05.28 18:03

 2012年に復原工事が完成した「東京」駅の丸の内駅舎や横浜・赤レンガ倉庫、世界遺産の群馬・富岡製糸場など日本では主に明治・大正期において西洋風のレンガ造りの建物が多く建築された。当時から残っているレンガ造りの建築は少ないものの、住宅や店舗の意匠を目的にレンガ風のタイルは広く用いられている。レンガ風のタイルは壁面に直接施工したモルタルに埋め込む圧着張りという工法がとられることが多い。これに対し、ケンブリック(東京と瀬田が拓)では本物のレンガを積み上げて施工する手法を採用している。 同社の工法は建物本体基礎の外周部にレンガ用の基礎工事を行い、その上部にレンガ積みの専門の職人が縦横均等に鉄筋をレンガに通しながら一つ一つ積み上げるというもの。壁面に圧着するのではなくレンガ積みの壁を自立させ、建物本体と共振させる役割も持つオリジナルの金物を使用して建物壁面に強固に固定し、かつ建物とレンガの間に約30mmの通気層をつくることにより夏涼しく冬暖かい魔法瓶のような特性を持つ工法である。
  「当社が使用しているのは高温で焼成した輸入オーストラリアレンガで、高い耐久性が特徴です。従来のモルタル外壁は10年周期でリフォームが必要といわれますが、レンガの寿命は100年以上であり外壁をレンガ積みにすることでメンテナンスフリーになります」(代表取締役 中嶋 健治氏)
本物のレンガは高価なイメージがあるが、中嶋氏によれば坪単価は一般のハウスメーカーの注文住宅と比較してもそん色ないとのこと。
「現在、賃貸住宅経営のオーナー様にレンガ積みを採用して頂き、入居希望待ちがあるほど入居促進に効果を発揮し好評頂いております。また高い耐久性・省エネ性、メンテナンスフリーと多くの利点を有していることからリフォーム需要にも対応が可能です」と話す。オフィスや店舗でも外壁や内装のリフォーム需要に応えることが可能と同氏は述べており、物件の差別化や付加価値向上につながる改修アイディアとして一考したいところだ。




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