不動産トピックス

ビル業界ミニトピックス

2022.01.24 10:16

■数年前よりクローズアップされた空き家問題。空き家の活用や問題解決をミッションとした多くの会社が立ち上がった。が、800万戸以上の空き家が全国にあるなかで、課題解決には多大な時間を要する。ただユニークな取り組みも行われている。そのひとつがOn―Co(三重県桑名市)が展開する「さかさま不動産」。代表取締役の水谷岳史氏、同じく代表取締役の藤田恭平氏が共同でOn―Coを立ち上げ。会社設立以前より、個人事業主の形で古民家の活用などを行ってきた経験を生かした「さかさま不動産」。借主が「やりたいこと」を掲げて、それに対して貸主が「これは!」と思ったものを選び、コンタクトを取る。スカウトするのだ。「不動産」と名がつくものの、不動産のポータルサイトとは異なる。ここから生まれた活用事例から、新しい地域活性化の芽が出てきているようだ。

■神奈川県相模原市で水道設備工事事業を営む小池設備。地域で水道設備工事を営んできた実績が長く、最近では不動産オーナー自ら直接依頼が来ることもしばしば。その一方で、取り組むのが「社長育成」。「社長になりませんか?」と銘打って、社長業に興味のある若者を受け入れて、水道工事事業のいろはを教えていく。そのうえで、様々な地域の、後継者がいない水道工事事業者に後継者として送っている。
 この「社長育成」のなかで代表取締役の小池重憲氏が大切にしているのは「楽しい社長の姿を見せること」だという。「しんどそうな顔を見せていたら、社長業をやりたい、という人は出てこない」と話す。職場でもそのような姿を見せるよう努めている。

■VR・AR事業を展開するASATEC(東京都港区)。先般、不動産業界向けに土地販売・住宅販売時の営業支援サービス「build+」のβ版を展開。多くの会社から反響があり、今後の正式版の展開が期待されている。実は同社が不動産業界向けにサービスを展開するのはこれが初。様々な業界の企業との取引があるが、代表取締役の朝日恵太氏は「次の成長戦略を練るなかで、不動産業界が有望だと考えて『build+』を開発することになりました」と明かす。昨年行われた不動産テック系の展示会では上々の反応を得たという「build+」。正式版展開後にどれくらいの広がりを見せていくか、そしてASATECが業界向けにどのようなサービスを展開していくか注目される。

■長野県で古材専門設計・施工、古民家買取・再生、飲食店開業支援を手掛ける山翠舎。1930年に創業した山上木工所が始まりだ。3代目で現代表取締役社長の山上浩明氏。新規事業に意欲的でコロナ禍のなかでグループ会社である山翠舎賃貸からコロナ禍のなかでも優良飲食店の誘致を支援する「大家さん応援システムOASIS」をリリース。家具づくりのプラットフォームの開設やシェアオフィスの開業など、新しい取り組みが相次いでいる。山上氏は「今後も古木を生かした事業を展開していきたい」と話し、その動向が注目される。




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