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オカムラ 4月から業務用清掃ロボット「STRIVER」販売予定

2022.01.31 11:33

壁際最短1cmまで寄せて清掃が可能
 オフィス什器の提供やオフィスレイアウトのプランニング等を含めた様々なソリューションを展開するオカムラ(横浜市西区)は、4月から業務用清掃ロボット「STRIVER(ストライバー)」の販売を予定している。
 STRIVERは、床清掃業務の省人化・効率化を実現するクリーニングロボット。自動搬送ロボットに市販の業務用乾式掃除機を搭載(組み合わせ)でき、オフィスビルや大型商業施設の共用スペース等を自律走行して床清掃を行う。サイズは横幅500mm×縦900mm×高さ450mm、本体重量は55kg。リチウムイオン電池を実装し、連続稼働時間は約2時間。フル充電時間約2時間。バッテリーを交換することで2時間以上の連続稼働可能。強みは壁際近くまで接触することなく清掃できること。これまでの清掃ロボットはシステム上、良くて壁際50cmほどまでしか接近できず後に清掃スタッフが自ら壁際を清掃する状況だった。が、STRIVERは最短1cmまで寄せて清掃が可能。従前まで発生していた清掃負荷を大幅に削減できる。加えて自動搬送ロボットに業務用乾式掃除機を搭載できる造りから、一般的な業務用掃除機と同等の吸引力を持つ。車輪は前後だけでなく横移動も含めた十字方向での走行が可能な特殊車輪で、かつロボット自身で効率の良いルートを作成し走行する。
 デザイン本部の高橋誠氏は「元々オカムラは創業者・吉原謙二郎を含め飛行機製造の技術者を多く抱えており、戦後間もない頃からトルクコンバータ(流体変速機)の開発にも取り組んできました。今回はそんな経緯から当社の持つ知見や経験をベースに生かしつつ、近年人手不足が深刻な問題となっている『ビル清掃』の分野において省人化・効率化に繋がればとの想いで開始しました。2019年頃から開発・販売に向けて動き出し、様々な研究を経て現在に至りました」と語った。
床清掃業務の省人化・効率化
 現状のビル清掃は、広い面積を人が掃除機を使用して床掃除する一方で、人員や労力・時間が掛かることから清掃ロボットの活用も増えている。だが清掃ロボットでは壁際に近づくことが難しく清掃業務が十分とはいえない。必ず人の手による掃除が必要となっている。また業務用掃除機に比べて吸い込みが弱いという課題があり、導入に二の足を踏むメンテナンス会社も少なくない。今回はメンテナンス会社が抱えるこれら課題を解決する手助けとして、また付加価値の高い清掃サービスの提供をサポートする意図でも開発が行われた。
 高橋氏は「STRIVERは、集塵容量が6リットルと従来までの清掃ロボットよりも大きく、先端等に取り付けられたセンサーが範囲を特定し清掃箇所を塗りつぶす様に掃除します。細かな設定や操作を省きつつ、業務の効率化と導入しやすいことも意識しました」とした。STRIVERの性能は、昨年開催された「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO」でお披露目となったが、販売開始時期までに更なるブラッシュアップや性能向上が想定される。また販売開始後も常にSTRIVERの機能性向上を図っていく予定だ。ビル清掃における床清掃で、清掃ロボットが主役となる日が、近くなりそうだ。

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