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イナバインターナショナル 個室型ブース「BizBreak」販売 デザイン性・高性能に特化 価格競争力も実現

2022.02.07 11:33

 多少一服感の見られる個室ブースであるが、既に在宅勤務やリモートワーク等におけるウェブ会議では必要な家具との認識から、導入件数は増えている。割安な半個室タイプから完全個室型、また自宅用も想定した簡易的な製品まで幅広い。ターゲットを絞りつつ、他社にはない魅力付けしたブースが好まれる。

稲葉製作所の物置技術生かして開発
 イナバインターナショナル(東京都渋谷区)は今年1月末から、ウェブ会議やオンラインでの打ち合わせ等に適した個室型ブース「BizBreak(ビズブレイク)」の販売を始めた。
 「BizBreak」は、これまで他社の個室ブースでは見られなかったデザイン性と高性能でありながら価格競争力を実現したブース商品。稲葉製作所(東京都大田区)の展開する物置の技術を生かして開発され、デザインは米・ゼネラルモーターズのチーフデザイナーや独・ポルシェ社のシニアデザイナーも歴任したことのある奥山清行氏(代表)率いるKEN OKUYAMA DESIGN(東京都渋谷区)が務めた。スクエアを強調したスタイリッシュなデザインが特徴で、かつバリエーションは3タイプ用意。ロッククリスタル(水晶)の様な突き付けガラス構造を表した完全個室型の「ロッククリスタルタイプ」。個室の形が五角形で、変則的な形が単調なワークプレイスに視覚的なリズムを生む完全個室型の「ペンタゴンタイプ」。天井やガラス壁を無くして価格を抑えつつ、デザイン性は損なわない半個室型の「パンチングメタルタイプ」の3種類。
 いずれの個室ブースも面積は3㎡以内。電源やデスクは標準装備で、完全個室型に必要な照明や空調、スプリンクラー等を備え付けている。空調は個室内の照明スイッチを押すと自動的に稼働。常に清潔で快適な空気環境を維持する。また完全個室型のブースを導入・設置する場合、建築基準法や地元の自治体が制定した消防法への遵守が必要。同社は消防法への申請業務もサポートでき、現地での組み立てやレイアウトに合わせた設置まで対応できる。一方半個室型は空調やスプリンクラーが無いため完全個室型よりも割安で、消防法対策も不要だ。

ローパーティションYURTとの組合せも
 オープンイノベーション事業部の小沢直哉部長は「『ロッククリスタルタイプ』は、突き付けガラスがカット水晶のように演出され、上質な印象を与えるデザインにしています。防音性はもちろん、オフィス内のデザインに拘る企業やライブオフィスも加味した空間への設置に適しているでしょう。また『ペンタゴンタイプ』と『パンチングメタルタイプ』は、これまでの四角い個室ではなく五角形を採用しました。価格も高性能であるにも関わらずリーズナブルなので、導入を躊躇していた企業には好ましいと思います」と語った。
 またグレードの高い完全個室型であるとオープン価格との表示は多い。オープン価格のメリットもあるが、金額がわかりにくいと感じるクライアントもいるだろう。同社は定価表示を行っており「ロッククリスタルタイプ」は99万7000円。「ペンタゴンタイプ」は86万円。「パンチングメタルタイプ」は72万円で、搬入施工費は別途発生する。
 小沢氏は「従前から当社はローパーティション『YURT(ユルト)』と、ヤマハ様(浜松市中区)が提供するサウンドマスキングを組み合わせた『オフィスの音対策ソリューション』も展開しています。社内での簡単な打ち合わせに『YURT』を活用頂き、一方社外のクライアント等には『BizBreak』といった使い分けに加えて、オフィス内の音環境やレイアウトも含めたソリューション提案も可能です。『BizBreak』の採用に合わせて、自社の快適なオフィス環境を見直すことも良いのでは」と語った。




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