不動産トピックス

クローズアップ カビ除去・洗浄剤編

2008.04.28 11:26

 4月もそろそろ終わり、あと一カ月半ほどで梅雨の季節がやってくる。この時期、ビルの外観を汚す主役はカビ。もちろん、建物内のトイレや給湯スペースにも油断すると侵入してくる。今回はこのような厄介なカビを予防し、また発生した場合に除去する洗浄剤を紹介する。

横浜油脂工業 大腸菌や黄色ブドウ球菌などにも効果あり 塗布後の滑りやすさを抑え作業効率向上
 横浜油脂工業(横浜市西区)からはビルメンテナンス専用の表面洗浄剤として、「アクター」が販売されている。
 「強力な洗浄力と泡切れの早さで作業効率が大幅に向上」「防菌剤配合で大腸菌、黄色ブドウ球菌などに効果がある」との事である。
 またノンリンスタイプなので、樹脂ワックスに悪影響を与えない。このため、洗浄後は汚水を回収すれば水拭きは不要。作業スタッフの安全性も考慮されている。
 床に塗布した後、滑りやすさを抑えているため、作業が効率よく進み、時間の短縮にもつながる。床に使用するだけではなく、希釈の倍率を変えれば様々な部材や場所にも使える。例えば、ガラス、スチール製品、ビニールレザー、トイレの便器など。
 同社が提示する希釈倍率の基準は、樹脂ワックスで30〜50倍。ビニールレザーやスチールで60〜80倍。自動床洗浄機を使用する場合には100〜120倍。ガラスなどには40〜60倍。無臭タイプでもあるので、入居者にも配慮したい場合によいだろう。

アサヒペン 下地処理にも効果を発揮する洗浄剤 泡をしっかり密着させ塩カビやヌメリを落とす
 アサヒペン(大阪市鶴見区)が販売しているカビ取り用洗浄剤「カビとりS」は、浴室から外壁、ブロック塀など様々な場所のカビや黒ズミを洗浄する。
 同社によると、製品特長として、まず塗装前の下地処理にも使用できる事が挙げられている。また、泡がしっかりと壁面等に密着するので、カビやセッケンカス、ヌメリなどを強力に洗浄することができる。
 500グラムの大容量タイプなので、広い面にも使用できる。ただし、ホーローやアルミ、真ちゅうなどの金属製品はサビの原因になるので、使用しないようにとの事だ。同じく、木製品や砂壁、繊維壁、しっくい、布クロスなどにも使用できない。
 使用量の目安としては、1㎡あたり約15回のスプレー噴射(13グラム)が必要との事だ。適量使用することにより、より効果的な洗浄が見こめる。
 また同社では、カビを事前に防ぐ「カビドメスプレー」も発売している。これは容量が300mlなので、外壁などの広い面には使用が難しいが、給湯スペースなどには効果があるだろう。使用量の目安としては、1㎡あたりに約50秒のスプレー噴射が必要とされている。

スマート 塩素未使用で刺激臭の発生がない除去剤 カビに塗布して放置あとは水で流すだけ
 スマート(大阪市平野区)では、カビとヌメリを除去する「スマートカビクリーナー」を販売している。
 この製品は塩素を含んでいないので、刺激臭の発生などがないようだ。通常塩素が使用されている場合、刺激臭を発生する事が多い。これは酸化反応性やアルカリ性が高いためで、使用時には換気を十分に行い、目や皮膚につけないようにしなければならない。
 ただし、「スマートカビクリーナー」も目に入った場合や皮膚についた際には、水による洗い流し、医師の診断が必要とされている。
 カビの除去は、根を完全に取り除かなければ再発する可能性が高い。同製品では、漂白作用に頼らずにカビを除去するが、根が深いと時間がかかるのだという。この場合、洗浄後に再度カビの有無を確認し、まだ残っている場合はもう一度同じ作業を行う必要がある。
 しかし作業自体は簡単で、カビの部分に洗浄剤をかけ、しばらく放置した後、ブラシなどで軽くこする。カビを除去した後は水で洗い流すだけだ。

メンテックカンザイ 汚れは拭く時代から溶かして落とす時代へ 汚れの種類に合わせて4タイプの工法で対応
 ビルの総合管理を行うメンテックカンザイ(静岡市駿河区)では、外壁などのカビや汚れを溶かして落とす「リフレマックス工法」を開発・施工している。
 同社代表取締役社長大滝浩右氏は「汚れの種類によって、4つの工法を適用します。それぞれに最適な除去剤を使用しますが、いずれの薬品成分も人や動植物に優しいものを使用しています」と語る。
 この4つの工法により、建物全般のカビ汚れや、シミやサビ、油汚れ、木材部分のカビ、日焼けなど広範囲に渡っての施工が可能となった。
 この中でもカビ汚れは特に落としにくいもの。同社の資料によると、カビは静電気を発生する事により、汚染物質を吸着させるのでより一層汚れがひどくなるのだという。
 同社では除去剤で落とした後は、保護剤を塗布して水分を断ち、カビの発生を防ぐ事で再発を抑止する。また、この保護剤は徐々に塗布面に浸透し、表面の内側でゲル化する。これにより雨などの侵入を防ぎ、コンクリートの酸化防止にもつながるとの事だ。




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