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JR「三ノ宮」駅に地上32階の新駅ビル JR西とUR 周辺エリア再整備と合わせた開発概要を発表

2022.04.04 11:33

 JR「三ノ宮」駅の新駅ビルと周辺地区の再整備について開発方針がまとまり、3月30日に計画概要が発表された。
 開発は西日本旅客鉄道(大阪市北区、JR西日本)、都市再生機構西日本支社(大阪市城東区、UR)、神戸市が検討を進めてきた。計画では、敷地面積8600㎡、延床面積10万㎡、地上32階地下2階の駅直結のビルを建設。商業、ホテル、オフィス用途の複合施設とするもの。
 三宮エリアには6つの駅がありながら、「乗換動線がわかりにくい」、「駅から周辺のまちへのつながりが弱い」、「広場など人のための空間が少ない」などの課題を抱えていきた。これらの課題解決を図り、地区全体の魅力向上を図るため、神戸市では三宮の6つの駅を1つの大きな「えき」見立て、駅と駅、駅と周辺のまちをつなぐ「えき・まち空間」を創出。エリアを包括する「人と公共交通優先の空間」として、「三宮クロススクエア」の段階的な整備を進めている。
 新駅ビルはJR西日本グループがビル建設を行い、URは共同事業者として土地の一部を取得し、新駅ビルと歩行者デッキおよび「三宮クロススクエア」の工事間調整、公共施設活用に係るルールづくりやエリアマネジメント組織の支援などを行う。
 商業施設は店舗面積約1万9000㎡の計画。神戸の産業や多様な食文化を背景とした付加価値の高い「モノ提案」や地域生活者の生活を豊かにする「コト・トキ提案」など、リアルとオンラインを組み合わせて「神戸ならでは」の価値を提供することにより、神戸の魅力を体感できる商業施設を目指す。
 ホテルは客室数約250室を計画。上質で洗練された客室、ロビー空間を設えるとともに、食、アート、音楽イベントとの連動など、神戸ならではの多様な文化を体験できるホテルを目指す。
 オフィスは賃貸面積約6000㎡。JR西日本グループが掲げる「ワークプレイスネットワーク」の中核の一つとして、コワーキングなどの人々が交錯・交流し、新たな価値を創造するオフィス空間や、フレキシブルな働き方を提案するワークプレイスの提供を検討するとともに、神戸市が掲げる医療産業都市との連携など、新たな価値の提供を目指す。
 駅前広場上空には約2500㎡のデッキを建設。居心地の良い待合空間を形成するとともに、三宮クロススクエアと連動したエリアマネジメントの推進により恒常的なにぎわい創出を図る。
 JR西日本、UR、神戸市は、三者連携でのエリアマネジメントによる新駅ビル周辺の賑わい創出を図るとともに周辺と連携した取り組みを推進し、まちの魅力向上に努めていくとしている。
 開発は2023年度に着工し、2029年度の竣工を予定している。




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