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<不動産投資商品開発>サタスインテグレイト 共同出資者の立場でリスク取りつつ運用 個性が強い不動産商品の手ざわり感を伝える
2008.04.14 10:30
サタスインテグレイト(東京都港区)はブティック型不動産投資商品「ゆうゆう倶楽部」を開発、今年3月から販売を開始している。この投資商品は1口300万円で東京都心部を中心とした17物件21戸の分譲マンションに共同投資することができるもの。賃料による利回りと、入居者退去時の物件売却益分配による配当を行う。この商品の大きな特徴は、運用者であるサタスインテグレイトが共同出資者として一緒にリスクを取る点だ。
「これまでの投資商品は、販売後のリスクを投資家が負うため、販売する側は運用が成功しようと失敗しようと大きな問題がありませんでした。ゆうゆう倶楽部は我々も一投資家として出資をしているため、販売後の運用結果についても一緒に責任を背負う共同事業者として参加するのです」(佐藤氏)
佐藤氏が「共同事業者」と強調しているのは、資金の問題のみならず、運用についても可能な限り情報を開示し、投資家に運用内容について思索を巡らせるというスタイルを取っているからだ。
出資者には専用のサイト上で個々の物件に関する詳細な運用状況レポートを公開。賃料の増減や入退去のほかに、組み込まれている物件周辺のエリアにおける賃料動向も併記して、本来得られるべき収入が上げられているかを判断できるようにしている。また、不動産市況全体に関する情報も発信することで、出資者に現在不動産市場で何が起こっていて、今後どういった変化が起こるのかを判断・分析してもらう材料を提供している。
「商品に関する情報を開示しない場合、投資家は運用方針が分からないために意見を述べることができず、運用側にすべての判断を委ることになります。これでは投資家が商品自体に対する興味を失いかねません。ただの金融商品なら問題ありませんが、不動産は物件ごとの個性が強い、手ざわり感のある物件です。だからこそ情報を開示し、投資家に物件の事を知ってもらうと同時に、不動産を勉強し、投資ノウハウを身に付けるきっかけを提供しているのです」(佐藤氏)