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次亜塩素酸空気除菌消臭器「Fine Mini」を展開 大手ビル管理会社や企業オフィスなどで導入
2022.04.11 11:05
次亜塩素酸水「揮発」は電子機器も安心
FMI(東京都目黒区)は次亜塩素酸空気除菌消臭器「Fine Mini(ファインミニ)」を展開している。2020年3月頃より発売を開始。一部報道により次亜塩素酸水が敬遠される逆風を受けながらも、不動産業界を含む大手企業などへの導入実績を有している。
同社は2002年に設立。培ってきた技術を活用して、2019年に「インフルエンザウイルスの失活装置及び失活方法」として、高砂熱学工業で長く研究開発を行ってきた阪田総一郎氏(現・メディエアジャパン社長)と国立病院機構仙台医療センター ウイルセンター長の西村秀一氏とともに特許を取得した。その特許技術を基にして生まれたのが「ファインミニ」だった。
「ファインミニ」は球体のなかに水道水と次亜塩素酸を粉末状にした「Jia―Use(ジアユーズ)」を共に入れて、次亜塩素酸水を超微粒子のガスに揮発する。空間中に浮遊するウイルスはもちろんのこと、付着ウイルスにも効果を発揮する。
2020年のコロナ禍当初、次亜塩素酸水へ注目が集まった。しかしながら、一部報道から逆風が強まり、アルコール消毒へと軸が移っていった経緯がある。代表取締役の松永敏宏氏は「2020年の各社報道により次亜塩素酸水が人体への影響や電子機器への影響という誤解が広がったことは当社製品にとってもダメージを受けています。しかし、それらの報道は噴霧するタイプのものを指していて、『ファインミニ』のような揮発性のものは該当しません」と話す。実際、20年当時も医師会などで呼びかけられたのは「次亜塩素酸水の空間噴霧はやめてください」という注意喚起。同年6月には経済産業省、厚生労働省、消費者庁が合同で発表したリリースで次亜塩素酸水の新型コロナウイルスの有効性が確認され、効果的で安全な使用方法についても示されている。
電子機器への影響もクリアする。松永氏は「当社の『ファインミニ』は揮発性なので、電子機器を故障させるといったこともなく、どのような場所でも安心してご使用いただけます」と強調する。
風評被害に巻き込まれながらも、「ファインミニ」はウイルスへの効果の高さから需要をしっかりと掴んでいる。
「ファインミニ」はpH(ペーハー)が6・5となっている弱酸性の次亜塩素酸水を揮発させる。ペーハーが5~6・5の間だとウイルスは不活化しやすい。人体への影響も見られない。濃度も既存の競合他社製品に比べると安全圏内で高く、菌やウイルスに対する効果を発揮する。超微粒子のガスとして放出される際、わずかな水分も含まれるものの、カビなどの発生が気になる加湿器とは異なり、その懸念はない。
松永氏によれば、今年の秋から冬にかけては「ビルオーナーにもオススメしたい製品」の展開を予定している。今後の動向にも目が離せない。