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<全国のビル実態調査>日本ビルヂング協会連合会/東京ビルヂング協会 平成19年度「ビル実態調査」を発表 独立耐震性調査をはじめて実施
2008.03.10 15:48
社団法人日本ビルヂング協会連合会および社団法人東京ビルヂング協会は、平成19年度の「ビル実態調査」(全国版、東京版)を発表した。この調査はビル経営管理に資する基礎資料を得ることを目的に毎年度実施している。回答者数は、全国版646社(1061棟)、東京版174社(397棟)であった。
調査では建物の利用状況や主要設備・ビルサービス・リニューアルの状況、意識調査などが実施された。中でも19年度版から追加されたビルの耐震性調査については興味深い結果が出ている。調査では、耐震上問題のないものとして「新耐震基準(昭和56年6月施行)以降に建築したもの」「新耐震基準前に建築したビルで耐震診断などにより問題のないもの」「耐震改修済みのもの」が全体の75%を占めていた。さらに「近い将来建替を予定しているもの」などで問題が解消されるものを含めると全体で86・1%となる。なお、東京だけでは耐震上問題のないものなどが91・3%という高水準にあることがわかった。
耐震改修に要した経費をビルの規模別に見ていくと小規模ビル(延1000坪未満)の5万9825円に対し、大規模ビル(延3000坪以上)9356円で、スケールメリットが生かせる大規模ビルに対して小規模ビルでは6倍もの経費がかかっており、小規模ビルのオーナーほど負担が大きい。
これを受けて日本ビルヂング協会連合会では、平成21年度の税制改正要望として、「地震防災対策用資産の特別償却」の割合を現行の10%から30%に引き上げ、中小規模の事業者に対しては7%の税額控除との選択制にしてもらえるように働きかけている。同様の取り組みはこれまでも行っていたが、裏付けとなるデータが得られたことから期待を寄せているということだ。
なお、現行の「地震防災対策用資産の特別償却」は手続きの難しさと、税メリットの少なさであまり利用されておらず、さらなる税制上のインセンティブが必要だという指摘もある。