不動産トピックス

クローズアップ 地震対策編

2008.02.04 17:21

 ビルの躯体への地震対策として免震等を施工しても、地震への備えが万全であるとは言い切れない。防災意識の高まりと共にさまざまな商品が開発されているが、所有ビルの地震対策に細かな見落としはないだろうか。地震対策を行う際に失念しがちな点に着目するサポート的製品を見ていく。

ダイドードリンコ 備蓄ボックスでエレベーター閉じ込めに対応 揺れに反応して開く扉 常備灯が足元を照らす
 ダイドードリンコ(東京都港区)が共同開発した「サバイバルボックス」は、エレベーター内に設置する備蓄ボックスだ。
 製品の扉にはおもりが付属しており、エレベーターの揺れによっておもりが落下すると自然に扉が開く仕組みとなっている。
 更に、扉が開くと同時に常備灯に差し込まれた絶縁体が引き抜かれる仕組み。災害時にエレベーター内の電気が消えてしまっても、迷わずにボックス内部の確認が可能だ。
 「『サバイバルボックス』の中には、飲料水や食料、凝固剤付きの簡易トイレ等が真空パック状態で備蓄されています。その中には携帯電話充電器を付属したラジオも同封されているため、仮に閉じ込められたとしても外部の情報を手に入れることができるのです」
 本体の高さはちょうど成人が座るのに適した高さ。オプションでボックス上部に設置可能なクッションも用意しており、通常時はちょっとした腰掛けにも使用可能。また、外見は木目模様などから選択できる。同社は災害時に無料で提供される自動販売機を導入することで、この製品の無料提供が受けられるというサービスも行っている。

中川ケミカル オフィス蛍光灯の飛散防止に紫外線カット機能で虫に対応 高さ5mからの落下に耐える耐衝撃性
 中川ケミカル(東京都中央区)が開発した「BANGARD(バンガード)」は、蛍光灯の飛散防止システムである。
 この製品はポリカーボネートでできたチューブ状のカバーと、シリコンのゴムパッキンのセット。使用法は蛍光管をカバーに入れてソケット部にパッキンを被せるだけだ。
 「この製品の耐久性をテストするために、蛍光管が中に入った状態で5mの高さから投げ落とす実験を行いましたが、全く破片が飛び散ることもなく、またパッキンも外れませんでした」
 ポリカーボネートの持つ弾力性が、高い耐衝撃性と耐久性を実現。しかし、透明度が高く光を遮らない。
 この素材によって蛍光灯の破片でチューブが破れたり、衝撃で破裂するといった被害を防止することが可能になった。また高い耐久性によって耐用年数は10年間となっている。
 また、この製品は紫外線吸収剤が練りこまれており、99%の紫外線をカットする。飛翔昆虫は紫外線に反応して寄ってくるため、ランプに虫がたかるという状況を防止することができる。
 近年、異物混入対策等を強化している食品工場等からも問い合わせが寄せられているという。

日本インシュレーション 免震装置用耐火システムに新シリーズ 高減衰積層ゴム用に新開発 耕造単純化でコストを削減
 日本インシュレーション(大阪市浪速区)は、高減衰積層ゴム免震装置用の耐火被膜システム「めんしんたすけ‐HD」を今年1月より販売している。
 建築物の中間層免震装置には、火災時の安全性を確保するために「変形追随性を有する耐火被覆」を施すことが求められている。しかし、これまでは国土交通大臣認定を取得するルートC耐火設計法による必要があった。同社はこれに対して、建築確認(ルートA)で採用できる天然ゴム系積層ゴム免震装置用の耐火被覆システム「めんしんたすけ‐N」を販売してきた。
 「めんしんたすけ‐HD」は耐火パネルを固定式にすることにより、開閉式の耐火パネルを採用していた「めんしんたすけ‐N」よりも構造を単純化し約1割のコストダウンに成功している。同システムは耐火パネルを2枚並べて取り付けるので、地震時にパネルが左右にスライド運動し免震装置自体に傷はつかない。
 金子氏は「近年新築の物件を中心に免震装置の需要が伸びています。今回当社は『めんしんたすけ‐HD』を販売することで、ユーザーの幅広いニーズに柔軟に対応していきたいと思います」と語る。




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