不動産トピックス

クローズアップ 監視カメラ編

2007.12.17 17:45

 監視カメラを設置して、ビルや施設の防災・防犯を行う事は昨今珍しくはない。警備会社や管理会社が選定してシステムを導入してくれる場合には何も考える必要はないが、個人で導入を検討するならやはりカメラ個々の特性から知っておく必要があるだろう。

アイネット 秒間120コマでの撮影と記録が可能に 約100万円から監視カメラシステム導入
 アイネット(東京都墨田区)では、工事費込みで約100万円から導入する事が可能な監視カメラシステムを製造・販売している。
 画像記録用のデジタルビデオレコーダー「TDVWシリーズ」は監視カメラ4台用、8台用、16台用と3タイプが用意されており、本体のみの場合、価格は65万円、75万円、85万円となっている。
 常務取締役の辻村氏は「このレコーダーはMPEG-4圧縮方式によって長時間記録が可能となっています。ハードディスクドライブ容量が160ギガバイトのタイプの場合で標準画質を選ぶと、記録時間は25・7日間に及びます」と語る。
 通常、ビデオカメラなどは秒間で30コマ程度を撮るが、このレコーダーでは秒間120コマの記録が可能だ。これはスローモーションなどに活用する際には有効な機能である。
 システムにはアラーム機能のほか、音声入力と出力も導入できる。多機能な遠隔操作も可能で、IPネットワークによって回線をつなげられる。
 辻村氏は「やはり一番問合せや納入が多いのは、警備会社からですが、最近は問合せ経路、販売台数ともに拡大しております。要因としては、犯罪などが多様化し頻発する現在、安全性を重視する企業が増えた事、またそれに応えようとするビルオーナーも増えたのが挙げられるでしょう」と語る。

日本アビオニクス 探知が火事などの早期報知実現 サーモグラフィ方式で完全な暗闇で記録可能
 日本アビオニクス(東京都品川区)が製造・販売している、固定型監視制御用サーモグラフィ「TVS50SC」は赤外線を利用することにより、光が完全に遮断された暗闇でも、侵入者や災害発生を検知する事ができる。
 TVS営業部の佐久間氏は「熱を持ったものをハイライト像として表示するため、完全な暗闇でも人間を用意に判断する事ができます。また暗視カメラとは異なり、車のライトや街灯などの明かりでハレーションを起こさないので、画面全体を隅々まで監視できるのです」と語る。
 つまり、通常の暗視カメラは撮影対象が僅かでも光を放つ場合、それをカメラ内で増感して記録する。したがって完全な暗闇では利用できなくなり、また画面内に強烈な光源が入った場合は他のものが見えなくなるのだ。
 また、熱を探知するという事は、火事などを迅速に発見する事もできる。システムにアラームを組み合わせれば、早期報知が可能だ。
 この製品はハウジングなしで「IP54(装置の良好運転を妨げる埃は入らない・水の侵入による被害はない)」の耐環境性を確保しているので、屋内外で設置ができる。屋根のない駐車場がビルの敷地内にある場合などは有用だろう。
 測定できる温度範囲はマイナス40度から500度まで。また同製品には、「TVS総合保険」を利用して落下の故障などに備えられる。

三菱電機 カレンダー機能で迅速に画像を検索 最大で512台の機器構成マウスで簡単操作が可能
 三菱電機(東京都千代田区)では、「使う人に優しく、優れた監視システムを導入したい」というニーズに応え、「デジタルメルック」と呼ばれるデジタル記録式の監視カメラシステムを販売している。
 このシステムの特徴は、最大で512台の機器構成が可能となっている点にある。LAN回線を利用する事もできるので、カメラケーブルが露出して見た目の印象が悪くなることもない。
 また、監視室の省スペース化と、カメラの増設・移設が容易な点も特徴としてあげられている。実際の操作、例えばカメラの切り替え、見たいポイントにカメラの向きを向ける、音声のチェックをする(音声機能つきのカメラを設置した場合に操作可能)などは、パソコンの画面上で、マウスを使って行う事ができる。
 また、記録後の再生機能も充実している。最大で100倍速までの可変速再生で、スローモーションや逆再生時の速度を調節可能。カレンダー検索では、パソコンの画面上に表示されたカレンダーにより、カメラと日時を指定すればすぐに記録された画像が呼び出せる。その他、アラーム機能を設定すれば、「警告音と共にアラームリストが表示され、アラームがなったカメラやその周辺のカメラ映像を最大4分割で表示」できるとしている。ビルオーナーにとっては低価格から導入可能な監視カメラは、選択肢の一つとして、有効だろう。




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