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「有害紫外線」のカット率95% 看板の塗装面を色彩再生させるコーティング剤

2018.04.09 12:12

 屋外広告の看板を手掛けるヨネザワ企画は今年1月、看板の塗装面を色彩再生させるコーティング剤「サエコート」の販売を開始。太陽光の紫外線で劣化した屋外看板の再生と、塗装の劣化を防止できるコーティング液で、ビルのテナント看板や屋外看板の再生に効果を上げる。
 屋外広告の看板を手掛けるヨネザワ企画(東京都品川区)は今年1月、看板の塗装面を色彩再生させるコーティング剤「サエコート」の販売を開始した。
 「サエコート」は太陽光の紫外線で劣化した屋外看板の再生と、塗装の劣化を防止できるコーティング液。これまで色あせた看板の再生方法は、塗り直しと新しく作り直すのが一般的だった。が、この「サエコート」はきちんと洗浄を行った塗装面に塗布するだけで看板の色褪せを解消できる。看板の色褪せの原因は太陽光の紫外線でチョーキング現象をおこし、塗装表面が白い粉状になっていることで色褪せて見える。この現象は、塗膜(塗装により形成された皮膜)の中にある顔料が粉化して表面に出てくるもの。顔料が残っているため、「サエコート」を上から塗布すると塗膜ができ、再び被膜形成することで色彩が蘇る。水性であるため、顔料の色彩は影響を受けることはない。
 また「サエコート」は370ナノメーター以下の「有害紫外線」のカット率は95%で、促進耐侯性試験を行った結果は3年間ほとんど変化せずに緩やかに微減していく。「サエコート」の紫外線カット効果で、塗布後の紫外線による劣化の進行を遅らせ、看板の寿命を長持ちさせることが可能となる。チョーキング現象を塗り替えのいい目安としている。新しく作り直すことに比べるとサエコートを塗布するのではコストは5分の1~3分の1になる。
 一般的な紫外線をカットするフィルムでは新しい傷のない平面のみにしか施工することができない。だが、水性塗料であるサエコートは平面だけではなく曲面にも施工することができ、既存の傷ついた壁や立体のものでも可能になる。また乳白色の液体で塗布すると乾燥後はクリアになるため、木目を生かした木材製品や子どもたちの壁画等々にも本来の良さを損なうことなく使うことができると使用者から喜ばれている。最近では駐輪場・停留所の屋根に活用され、広い用途で活用できる。
 ヨネザワ企画取締役の米澤勝之氏は「最近、予算の少ない行政では看板や地図などの塗り替えができずに古く色褪せた看板をそのまま使用し続けています。『サエコート』を塗布することで、塗り替えることなく看板や地図を容易に蘇らせることができるので、予算の承認も得やすいと喜ばれています」と語る。
 塗料は水性のため、作業中に液だれした場合でも土壌を汚染せず環境にやさしい作りになっている。環境にも消費者にもやさしい「サエコート」で色褪せることのない街づくりが増えていくのではないだろうか。




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