不動産トピックス

商業ビル最前線

2007.11.26 17:05

<不動産戦略>小田急電鉄 電鉄会社が仕掛ける「個性」を造る街づくり 女性用リラクゼーション施設開業 高架下を活用した商業施設の展開
 今年8月29日、小田急線「梅ヶ丘」駅から徒歩2分の高架下に小田急電鉄直営の女性専用リラクゼーション施設「Dalla(ダーラ)」がオープンした。
 同施設は「岩盤ヨガ」「岩盤浴」「ボディケア」「アーユルヴェーダ」を利用できる女性専用のリラクゼーション施設。小田急電鉄の新規事業チームが遊休地の活用の一環として考案し、建設された。9月末時点での会員数は約1300人、その内の80%が近隣住民だ。同電鉄は今後も販促活動を行い、継続的な新規会員獲得を目指す。
 「小田急線『梅ヶ丘』駅周辺は住環境が良く、一人暮らしの女性が多い土地です。女性の美と健康をイメージした店舗はイメージも明るく、街のイメージ向上に繋がると思います」(沿線事業部 アシスタントマネジャー 谷垣直子氏)
 小田急グループはこれまでにも高架下を活用した施設運営を積極展開してきた。平成18年8月には小田急線「豪徳寺」駅から「経堂」駅間の高架下で同電鉄直営のレンタル収納スペース「小田急クローゼット」を、同年9月には通所介護施設「小田急デイサービス豪徳寺ふらわあ」をオープンしている。その他にもドラッグストアやDIYストア、「マルシェ千歳船橋」にはじまる駅前商業施設など地域特性にあわせた業態で高架下を利用している。
 小田急電鉄は朝のラッシュピーク時には200%を超える混雑と、列車の本数増加による沿線踏切の「開かずの踏切」を問題として抱えていた。この現状を抜本的に改善するため、「和泉多摩川」駅から「東北沢」駅間の上下線を各2本ずつ、計4本の線路にする「複々線化事業」を開始、それと小津時に東京都の都市計画事業である「連続立体交差事業」とを一体的に実施してきた。立体化により生じた駅周辺の未利用地を整備・活用を開始したのである。
 「これまでは高架下の開発にあたり、駅前では店舗や駐輪場に、駅の中間地では駐車場等に利用していました。鉄道が通る立地は交通利便性が高く利用価値が高い土地ですので、地域特性や周辺住民の利便性向上を考慮し、託児所やデイサービスなどの施設も計画・開発しました」(滝島氏)
 この考えの根本には、電鉄会社が考える「街づくりの必要性」がある。鉄道事業を帰還事業とする企業の第一の目的は「鉄道を利用してもらうこと」だ。乗降者数を増加させるためには、駅周辺を「住みたい街」にすること。では、住みたい街にするにはどうすればよいか。考えた結果が、線路の高架化によって生じた余地を街の発展に寄与する施設を作り活用することだった。
 「事業の収益性も重要ですが、それだけでなく沿線住民の生活の中で求められている施設を構築することで街づくりに寄与し、街の『個性』を伸ばすことができると考えています」(滝島氏)
 今後も立体化により生み出された空間の活用について検討するにあたり、荷重の制限や鉄道関連の法規上の問題等、建設に際しての制約はあるが小田急電鉄の街づくりはまだ続く。

シンクロ・フード 出店者に居抜き店舗売却し撤退費用軽減に
 ウェブ上で飲食店の総合支援を行うシンクロ・フード(東京都渋谷区)は11月20日、店舗の査定サービスや自社が運営する出店支援サイト「飲食店.COM」の出店希望者へ居抜き店舗として告知し売却先を探せるサービスを提供するサイト「居抜き.COM」をリリースした。
 同サイトは出店希望者に対して居抜き店舗を売却することで撤退費用の軽減・売却による収益獲得を目指す。「飲食店.COM」のデータベース(物件情報3万件以上、出展者用法1万5000件以上)を基に物件の簡易査定を行い、売却額を査定。
 「飲食店.COM」の多数の出店希望者に対して居抜き店舗を告知し売却を行うことで、スムーズかつ低コストでの撤退が可能となる。現在、「飲食店.COM」では居抜き店舗が公開されており、簡易情報の閲覧も可能だ。

森ビル ヒルズのレストランに星三つ ミシュランガイド東京で計6店舗が評価
 森ビル(東京都港区)が運営する六本木ヒルズ、愛宕グリーンヒルズ、赤坂溜池タワー内にある計6店舗が厳選したホテルとレストランを紹介するアジア初の「ミシュランガイド東京2008」(ミシュラン・2007年11月22日発行)で星付きのレストランとして選ばれた。
 三ツ星の評価を受けたのは、「鮨 すきやばし次郎」の本店。ミシュランの三ツ星の評価を受けるのは、「そのために旅行する価値がある卓越した料理」を出すと評価されたということだ。
 六本木ヒルズ店では小田二郎氏より店を任された次男の隆士氏が、長年の修行で継承した技で本店の味を提供する。
 その他にもフレンチレストラン「ラトリエドゥジョエル・ロブション」やミシュラン中華料理カテゴリーでは世界初の二ツ星・清朝宮廷家常菜の「厲家菜(レイカサイ)」、昭和25年創業の精進料理店「醍醐」などの各名店が二ツ星の評価を得ている。

スタンディングエッグ 起業家のためのレンタルキッチン・オープン 同施設内にはレンタルスペースも併設
 SOHO・ベンチャー向けの起業支援を行うスタンディングエッグ(名古屋市中区)は、飲食関連での起業を目指す起業家向けのレンタルキッチン施設「My Kitchen(マイキッチン)」を平成20年1月、新瑞橋にオープンする。地下鉄桜通線「新瑞橋」駅から徒歩2hンの場所に立地する。
 料理教室開講からシェフ・パティシエのたまごまで起業・回転を目指すクリエイターへの提供を目的としており、和洋中の料理からスイーツまで対応可能な充実した設備が用意されている。
 同建物内には個室レンタルオフィス「My Room(マイルーム)」をはじめ、教室やセミナーが開催できるレンタルスペース「My Space(マイスペース)」もあり、飲食業関連での起業を目指す人へのトータルサポートを目指す。




週刊不動産経営編集部  YouTube