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構造計画研究所 上下・水平両方向の揺れをやわらげる世界初の免震プロジェクト 三社共同で低層建物向けの三次元免震システムを開発

2007.09.17 17:21

 構造計画研究所(東京都中野区)は、清水建設(東京都港区)およびカヤバシステムマシナリー(東京都港区)と共同で、低層建物向けの三次元免震システム「ハイパーエアサスペンション」を開発・実用化し、実建物への適用を決めた。
 同システムは、地震による上下・水平両方向の揺れを低減する免震システム。適用第一号は、同研究所が事業主として計画中の集合住宅新築工事「阿佐ヶ谷プロジェクト」である。
 「ハイパーエアサスペンション」は、従来は難しかった上下方向の揺れにも対応できる免震システムで、水平方向の免震効果は従来と同等、上下方向の揺れは、揺れの加速度を免震しない場合に比べて、約3分の1に低減する。地震初期の下から突き上げるような突然の縦揺れにも恐怖を感じることなく、部屋の中の家具転倒、什器の散乱等の被害を防ぐ効果も、従来の水平免震建物よりいっそう高めている。
 同システムの主要構成は、3次元免震ユニットとロッキング抑制機構。ユニット上部には積層ゴムによる面新装置を設けて水平方向の揺れを吸収、ユニット株には「空気ばね」による免震装置を儲け、上下方向の揺れを吸収する。ロッキング抑制機構は、三次元免震で課題となっていた「ロッキング」運動に対応。建物の傾きを1/100以下に抑えることができる。
 今後3社は、防災拠点となる医療施設や公共施設、また貴重な文化財を保管する美術館や博物館などへ、本システムの適用を事業者らへ提案していくとしている。




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