不動産トピックス

商業ビル最前線

2007.09.03 17:44

東急不動産 JR「恵比寿」駅東口前で複合商業施設の開発に着手 コンセプトキーワードは「自然」「美」「健康」
東急不動産(東京都渋谷区)は、JR他「恵比寿」駅東口前で、複合商業施設開発「(仮称)恵比寿一丁目プロジェクト」の工事に着手した。環境デザインは船場(東京都中央区)、施工は淺沼組(大阪市天王寺区)。
ターゲットを、恵比寿に集まる「高い感性の大人の女性」を中心とした「都市生活者」とし、「自然」「美」「健康」をキーワードに、立地の良さを十分に活かした施設を開発する。所在は渋谷区恵比寿1丁目で、建築面積729・28㎡、地上6階地下1階建て、延床面積4824・31㎡、賃貸面積4024・97㎡の規模となる予定だ。
1・2階フロアのうち約940㎡には、旧建物のテナントであったアウトドアショップ「(仮称)モンベル恵比寿店」が入居。3階〜5階フロアには、店舗面積約1980となる東急グループ運営のフィットネスクラブ「(仮称)東急スポーツオアシス恵比寿店」を出店する。同店では初となる女性専用のスパスペースを備え、都市型フラッグシップ店舗として展開。流行や情報に対して感度の高い大人の女性向けに、ホリスティック(包括的)に「美」と「健康」を磨いていく為の様々なサービスを提供する予定としている。
その他、地下1階や6階には、大型飲食店や新業態レストランなどを誘致する。平成20年8月に建物竣工し、同年9月に開業予定だ。
同社は本社を置く渋谷周辺エリア(恵比寿地区含む)を重要開発エリアとし、同プロジェクトを皮切りに、神宮前4丁目、渋谷駅前周辺、代官山などで商業施設開発を進めていくとしている。

<商業ビルオーナーインタビュー>竜王 代表取締役 津村竜浩氏 好景気が続く銀座に立地する商業ビル 満室稼働中のソシアルビルテナント誘致時に調査する
昭和47年創業の竜王は、JR「新橋」駅、都営三田線「内幸町」駅、東京メトロ日比谷線「銀座」駅から徒歩5分に立地する「竜王ファイブ」を所有している。商業ビルが立ち並ぶ界隈に立地するこのビルの規模は地上6階地下1階、敷地面積は約75・9だ。現在「竜王ファイブ」を経営する竜王の代表取締役、津村竜浩氏に話を聞いた。
―「竜王ファイブ」はいつ頃入手されたのですか
津村 平成16年に購入しました。会社を経営していく上で、商業ビルの主要エリアである銀座にも1棟所有しようと思ったためです。このビルは多数の商業ビルが建つ場所に立地しており、銀座の景気が良いこともあって順調に満室稼働を続けています。
―他にどの様な物件を所有していますか
津村 基本的には商業、オフィスビルです。自分が知っている土地の方が、物件も扱いやすく立地する環境の確認なども容易なため、父が経営を始めた代官山を中心に購入または建築し、恵比寿にも1棟所有しています。現在は全部で約8棟となっています。私が代表になったのは平成3年頃のことで、主に競売などで入手した不動産をリニューアルして売却し収益をあげていましたが、物件を所有し経営していこうとの考えから、平成11年から1年に1棟ずつ入手してきました。
―経営上で気をつけていることは
津村 テナント誘致の際は、必ず事前調査をします。保証金の支払い能力があるかなど、目先の問題にとらわれず、先んじてトラブルの原因をなくすことが大切です。当社では、入居時に家賃の滞納があれば直接伺うとの説明をしています。そのため、今まで賃料不払いという問題はほとんどありません。

京阪神グループ 吉本興業の「笑い」のエンタメ施設誘致 全館を通じて非日常を体感できる施設に 京阪「京橋」駅前に新名所開発目指す
京阪神グループは、京阪電車「京橋」駅前に、物販・飲食などの業態を集積した複合商業ビル「(仮称)京阪京橋片町口ビル」を建設すると発表した。同施設には吉本興業を事業パートナーとして、同施設に「京橋花月」劇場を誘致、平成20年春より建築工事に着手し、平成20年秋からの開業を予定している。敷地面積は約1750㎡、延床面積は約6600㎡、1階から4階までが商業施設で、5階が「京橋花月」という構造となっている。総投資額は約15億円。
「京橋」駅は、京阪線で最大の1日あたり乗降客数約20万人を誇り、加えてJR環状線、片町線、大阪市地下鉄長堀鶴見緑地線などが乗り入れる関西屈指のターミナル駅。京阪グループでは、経営ビジョン「”選ばれる京阪”への挑戦」の中で、流通事業とビル賃貸事業を、ホテル事業、マンション分譲事業とともに強化事業と位置づけており、今回の開発はビジョン具現化の施策のひとつ。平成14年に実施した「京阪モール」の大規模リニューアルと、高架下飲食エリア「Kぶらっと」のオープンなど、近年京橋の町の高感度化に取り組んでおり、これら既存施設とのシナジー効果も見込んでいる。
吉本興業の「笑い」のエンターテイメントである「京橋花月」を核とし、今後、1〜4階の物販・飲食店舗に関しても、”笑・遊・美”をテーマに入居テナントの選定を進め、全館を通じて非日常を体感できる施設とすることで、京橋の新名所づくりを目指すとしている。

三菱地所 丸の内の地下に国際色豊かな飲食ゾーン誕生
8月24日、三菱地所(東京都千代田区)が再構築を進めている有楽町・丸の内エリアにおいて、飲食ゾーン『KUNIGIWA(クニギワ)』がオープンした。
JR「東京」駅と「有楽町」駅の中間、仲通沿いに位置する「国際ビル」地下1階、合計1200㎡の飲食ゾーンであり、6月から順次オープンの15店舗と既存店13店舗。合計28店舗が揃う。
『KUNIGIWA』のテーマは、「丸の内の地下に市場のような賑わいのある界隈をつくる」というもの。中東デザインをモチーフにした共有部環境デザインの中に、小規模間取りを活かした店舗が並び、イタリア、スペイン、トルコ、香港、韓国、沖縄など国際色豊かな色だけでなく、音楽やアートなどの文化にも触れることができる空間を創出していくとしている。今回新たに出店する店舗は、青山で人気の家庭的なトルコ料理「トプカプ」や北海道十勝料理「とかちの・・・」など、個性的で街場感のある店舗が揃う。
同社は今年4月に新規建て替え以外に既存稼動ビルのリニューアルを行うことで、丸の内のさらなる多様性の増加、「拡がり」と「深まり」を目指すとしており、積極的に丸の内再構築を推進していくとしている。

パシフィカ・モールズ 多くの固定客を抱える「さいたまコープ」を取得
パシフィカ・モールズ(東京都港区)が設立したSPCは、埼玉県蓮田市にある「生活共同組合さいたまコープ」が入店している土地建物を、8月28日に取得した。
コープ蓮田店は、平成19年7月に新規開業した新築のスーパーマーケットで、敷地面積は4828㎡、延床面積は2547㎡。国道122号線沿いという車でのアクセスが良好な立地で、自家用車保有率の高い同商圏のニーズを満たす、十分な駐車場も完備。生活共同組合さいたまコープは、70万人を超える県民が参加する埼玉最大の生協であり、県内に54店舗を展開。
当該物件は、同社が埼玉県で取得した最初の物件であり、取得判断に至った理由を「埼玉県は東京のベッドタウンとして今後更なる発展が期待できる地域です。その中で蓮田市は特に経済成長のポテンシャルを感じる地域であり、さいたまコープは多くの固定客を抱えてお客様に大変親しまれています。消費者からの信頼が強く魅力のある店舗として、そして経営にも安定した店舗として、さいたまコープには強い魅力を感じています」としている。

e-まちタウン 地域情報や店舗情報を地図上から検索
e-まちタウン(東京都豊島区)は、288エリアで展開する地域ポータルサイト「eまちタウン」において、「地図検索(PC版)」をリリースした。
「地図検索」は、eまちタウンに掲載されている「全国約400万件のお店情報」、「駐車場の空室状況」、「ユーザーから投稿された地域の写真」、「ドラマや映画のロケ地などの写真」等を地図上で検索できるサービス。店舗や施設が自宅や会社、駅から近い立地にあるのかという点と、地域の人からの口コミ情報を同時に把握しながら、店舗や施設を選択できる。また、自分自身の行動範囲にあわせた地図内にある店舗や施設を、約350の業種カテゴリーごとに検索できる機能も搭載。地図上に場所が表示されるため、立地を視覚的に確認できる。その地域でユーザーが撮影した写真や、ドラマや映画のロケ地となった場所の写真を地図上で検索でき、今までと違った角度からそのエリアを楽しめる機能もある。駐車場満室情報は、リアルタイムの空車情報を確認可能。同サービスは8月22日より開始しており、利用料は無料。




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