不動産トピックス

クローズアップ 省エネ・電力削減編

2010.02.15 18:26

 改正省エネ法によりエネルギー使用量の把握と管理の義務が従来の工場や事業所単位から企業単位に拡大されるため、ビルオーナー及びビル管理者はすぐにでもその対応準備を備える必要がある。ここでは「消費電力削減」というテーマの元、企業の省エネ活動を強力にする4つの新商品を紹介する。

 新コスモス電機(大阪市淀川区)は、高感度汚れセンサーを用いて換気扇の運転をコントロールすることで、冷暖房による電気代やCO2排出量を削減する換気扇コントローラーを販売している。
 同製品は室内における空気の汚れを検知し、換気扇の強、弱(オン・オフ)を自動的にコントロール、外気の導入量を削減することで空調効率を高めオフィス内のきれいな空気環境を保ちながら大幅な省エネを実現できる。
 「ビル内やオフィスで空調を利用する際に、換気扇を回しているケースは多いですが、せっかく冷やしたり暖めたりした空気を、外の空気とむやみに入れ替えてしまうことは、電気代の無駄でありCO2の排出量も増えてしまいます。かといって、換気をやめてしまっては建材からでるVOCなどの化学物質、食品やタバコから出るニオイや、そして人の呼吸から出るガスなどから発生される汚れが、室内に充満してしまうことになります」
 同製品を利用すれば、空気が汚れた時のみ換気扇を回すことで、室内の空気環境をキレイに保ちつつ外気の導入を約70%カットできる。
 同社発表によるとおおよその目安として、床面積300㎡の大型事務所なら、電気代削減が年間1万6470円、CO2排出量が年間609kgの削減となり、床面積100㎡の小型事務所なら電気代削減が年間6282円、CO2排出量が年間232kgの削減になるという。
 ダイキン工業、三菱電機、松下エコシステムズをはじめ、各社の換気扇との接続に対応している。

 NTTファシリティーズ(東京都港区)は、省エネルギー・長寿命で人や環境に優しい技術に基づく建築設計技術を効果的に統合させ、環境性能の高い、長寿命な建物「GreenITy Building」を建築することを提案しているが、その提案の中の一つとしてあげられるのが、同社が提供するエネルギーモニタリングサービス「Remoni」だ。
 「ASP方式で安価に導入でき、サーバーの運用やソフト管理などのシステム管理が不要で非常に便利です。データはNTTファシリティーズの『Remoniサーバ』に保存されますが、電力量や光熱水量の管理などのエネルギーモニタリングをはじめとし、温湿度などの環境計測も可能。インターネット環境であれば、場所を問わずWEBブラウザを利用してデータを閲覧することもできます」
 なお、機器の故障やドアの開閉などの接点監視もでき、異常時にはメールを送信することも可能である。

 日置電機(長野県上田市)は、使用電力を常時把握するデマンド監視システム「でんき当番」を利用した使用電力削減サービス「Ecoモット(エコモット)」を提供している。
電力の使用状況が目標値を超過した際、デマンド監視システム「でんき当番」が、LANで接続された監視パソコンに、レベル別4段階の警報画面と警告音を管理者に通達し、さらに警報は電子メールにて、他のパソコンや携帯電話へも届けられる。警告に応じて負荷設定を変更することで電力管理者は、最大で12の回路を制御することも可能だ。
 契約電力の減少および上昇の抑制により、電力の基本料金の低減が可能となっている。適正な契約電力を低減、維持し、使用電力量および使用状況が把握できるようになれば、省エネ法・ISO14001に求められている電力管理を行うことも容易に可能だ。
 サービス提供料金は、一律78万7500円、別途料金で、自動制御を行う機能を追加する工事を行うことも可能である。

 河村電機産業(愛知県瀬戸市)が、ビルオーナーやビル管理会社に提供するエネルギー管理支援システム「イーモニターシリーズ」の特徴を挙げると、(1)消費エネルギーを自動計測、自動記憶してくれるので定期検針の必要が無くなり、また記録・報告書資料を容易に作成できる (2)電気のほか、ガス、燃料、水道などの、様々なエネルギーの使用状況を一元管理できる。(3)既存のLAN配線を利用でき経済的にネットワーク構築を行なえるなど様々あるが、オーナーや管理者が導入し使用しやすいように工夫が加えられている点が特徴である。例えば省エネ状況を確認するモニターには、USBタイプが用意されている。USBメモリを差込み、簡単な操作でモニター内のデータを取り出すことが可能となっており、そのままパソコンにデータを移せるので、データ収集が手間無く正確に行なえる。なお、同社ホームページ内には、「業種、業態別導入シミュレーション」のコンテンツが用意され、3ステップで利用シーンに沿った「イーモニターシリーズ」の導入事例が紹介されている。省エネ機器、エネルギー監視機器の導入検討時に役立つ。




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