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<新事業戦略>平成ビルディング 簡易デューデリジェンス業務が好調 不動産流通企業などが利用開始 投資家のリスク開示要求に対応
2007.06.04 17:48
ビル総合マネジメント会社の平成ビルディング(東京都中央区)では、昨年3月から開始したデューデリジェンスサービスに簡易版を加え、受注件数を増やしている。簡易デューデリジェンス業務とは、証券化業務に必要な特有の項目である土壌汚染やPML値、再調達価格算出などを省き、建物・設備の状況調査に特化したもの。相次ぐ建築不祥事の報道などによって高まった投資家のリスク開示ニーズに対応するため、不動産流通企業などに提供を始めた。
「アスベストなど有害物質の有無をはじめ、設備更新に必要な費用や、遵法状況など、不動産流通企業では対応しきれないリスク情報の開示を求める投資家が増えています。そこで、証券化を行なわない物件にもデューデリジェンスレポートが必要だと考え、サービス提供を開始しました」(常務執行役員畠山文三氏)
同社のデューデリジェンス受注件数は、初年度54件に止まったが、今年は簡易版の利用が進んでいることもあり、既に70件をこなし、年間150件の受注を達成できる目処がついた。今後は年間300件程度の案件をこなせる体制を構築していくという。
なお、簡易デューデリジェンスというものの、証券化に必要な要素を省くだけで、他の項目は一般的なデューデリジェンスと同様のレベル。料金は通常の半額程度だ。