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三井不動産 「新チャレンジ・プラン2008」を発表 新成長戦略として海外不動産投資を強化
2007.05.14 17:38
三井不動産(東京都中央区)は、2003年から推進してきた経営計画「チャレンジ・プラン2008」で主眼とした営業利益が目標に達し、また、D/Eレシオが大きく改善するなど利益成長と財務基盤の強化を達成したことから、2年前倒しで新長期経営計画「新チャレンジ・プラン2016」を発表した。
計画期間は、07年〜11年度(ステージⅠ)と、12年〜16年度(ステージⅡ)に分けられ、ステージⅠでは、コアビジネスである「保有事業」、「開発事業」、「マネジメント事業」を一層強化し、将来の成長分野を育成。ステージⅡでは、育成した事業分野を大きな柱とし、グローバルな展開を本格化させる。
保有事業では、今後5年間でJFEビル跡地の建て替えやららぽーと新三郷などのオフィスビル、商業施設がそれぞれ52万程度稼働する。投資家向け開発事業としては、北青山プロジェクトや三井ガーデンホテルプラナ東京ベイの開発を推進中で、他にも分譲マンション開発における年間7000戸供給早期達成を目指す。マネジメント事業の目標としては、REITやファンドからの預かり資産残高を09年3・3兆円、11年4兆円に拡大していく方針。また、赤坂TBS開発のようなデベロップメントマネジメントやサブリース事業も強化する。
新たな成長分野として注力するのはリゾート事業と海外不動産投資および開発。J-REITの海外不動産取得解禁など、国内外マーケットの一体化を睨んで投資を進めていく。既に、シンガポールやロンドンに展開する現地法人や地元有力パートナー企業によって投資、開発を進めており、シンガポールでは、08年にホテル、分譲コンドミニアムの複合開発、09年にマリン・リゾート型住宅(264戸)が竣工する。
海外投資に対して岩沙社長は「日本を除くアジアではベトナムやタイ、インド、中国など東アジアを中心に開発事業を推進していく。また、米・英ではファンドを立ち上げ、10年後には営業利益の20%を海外投資からのものにしていきたい」と意気込みを語っている。なお、3年後の定量指数として09年目標の連結営業利益は2200億円に引き上げ、ステージ終了時の11年度にはD/Eレシオ1・4程度を維持しながらROE10%(06年8・3%)を目指す。