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<再開発新潮流>板橋三丁目地区防災街区整備事業組合 都内初、防災街区整備事業による開発 密集市街地整備法改正による新制度 柔軟性高い権利変換で合意得やすく
2007.04.02 17:25
板橋三丁目地区防災街区整備事業組合が、3月26日に発足した。平成15年の密集市街地整備法改正により設けられた防災街区整備事業において組合が設立されるのは、都内初である。
「国内における防災街区整備事業の組合設立は、2月に認可された東岸和田駅東地区に一歩遅れを取りましたが、現在は、今年9月の権利変換計画認可に向けて努力しております」(日野まちづくり課長山根邦明氏)
板橋三丁目地区防災街区整備事業は、板橋区板橋3丁目の約0・4haの施工区域において、地上24階地下1階塔屋建て、最高高さ約89mの高層マンションを建設するもの。建築面積は1001・52㎡、延床面積は1万5420・37㎡、住戸数155戸、駐車台数81台、総事業費は約47億円の予定だ。
権利者数は計69名。参加組合員として新日鉄都市開発と首都圏不燃建築公社が参加し、コンサルタントを日野と首都圏不燃建築公社、基本設計を三菱地所が担当する。開発施設の低層部商業フロアには権利者が出店する。
「昭和51年を皮切りに何度か市街地再開発事業の検討を行ってきましたが、要件が合わず、この度ようやく本組合の設立に至りました」(山根氏)
権利変換計画認可を受ければ10月に既存建築物の解体に着手し、12月に工事着工、平成22年2月の竣工を目指している。
防災街区整備事業は、主に木造住宅が密集している地域における防災性および住環境の向上を目的とした法定事業。事業手法は第一種市街地再開発事業に準ずるが、権利変換における柔軟性が高く、権利者は、共同住宅・店舗に入居せずとも、地区内に設定した他の土地の取得を選択することが可能であり、合意形成に要する時間や手間が短縮される。同事業では、権利者の9割がマンションに入居する予定だ。