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大京 今後着工する全物件に新EV制御導入 地震時の閉じ込めを防いで安全性を向上
2007.03.19 15:03
大京(東京都渋谷区)は、今年1月以降着工のすべてのライオンズマンションに、エレベータの「閉じ込め時リスタート運転」機能と「自動診断・仮復旧システム」機能を標準装備する。
これらの機能は、国土交通省の指導により実用化を図るよう促されており、一部のエレベータメーカーが既に商品化しているため、採用するものだ。なお「自動診断・仮復旧システム」については、現状では商品設置対象が「昇降行程30m以下」とされているため、条件を満たすマンション(主に10階建て以下)においてのみ設置される。
「閉じ込め時リスタート運転」機能は、地震時管制運転中に異常を感知し、安全装置が作動し停止・閉じ込め状態になった場合、従来は、人的な安全確認後に最寄階に移動しドアを開放していたものを、停止後に異常が解消していれば約1〜3分で自動的に低速で最寄階へ移動し、ドアを開放するシステムである。ドアは一定時間後に閉じられる。
「自動診断・復旧システム」機能は、地震時管制運転により最寄階に停止した場合、従来は、人的な安全確認後に運転復旧していたものを、エレベータ内の無人を確認した上で自動診断運転(正常時の運行データとの照合など)を行い、異常がなければ約30分で運転を再開するシステム。仮復旧後には、保守会社の技術者により再確認がなされる。
同社は今後、子会社の大京管理(東京都渋谷区4月1日より大京アステージに社名変更)の管理する既設マンションの管理組合に対しても、システム設置を提案する。