不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.01.15 17:19

日本ビルファンド投資法人 既存ビル隣接地を増築用地として取得 オフィスビルとしての競争力高める
 日本ビルファンド投資法人(東京都中央区)はNBF名古屋広小路ビルの南側隣接地を18億2600万円で取得した。取得地の敷地面積は431・30㎡、建物の延床面積は3450・28㎡。地上9階建ての事務所ビルである。
 取得する物件は、同投資法人が保有するNBF名古屋広小路ビルの南側隣接地。売主である大成建設はこの隣接地にNBF名古屋広小路ビルの増築建物を建築し、同投資法人は竣工後に当該隣接地および増築建物を取得する。売主が増築部を建築するにあたり、同投資法人は、既存ビルの南側外壁の開口・各階共用部分施設(廊下・空調機械室・トイレ等)の再配置など、本増築部との接続および一体化を目的とする改修工事をあわせて行っていく。
 この隣接地は表通りである「広小路通り」に面しておらず、また、競争力のあるオフィスビル敷地として単独利用するには、やや小規模であるという問題があった。しかし、「既存ビルの増築部としての一体化」というアイデアを採用したことで、その土地の持つ価値を最大限に生かすことが可能となっている。この取引においては、売主による隣接地取得前の早い段階から協業を進めてきた結果、新規開発プロジェクトの機会獲得を望む売主と、開発完了後の資産取得を目指した同投資法人との思惑が一致した結果として合意に至ったもの。同投資法人では今後もこうした売主とのコラボレーションを通じ、物件の早期確保と、競争力の高い新築物件の実現を同時に図っていくのだという。
 今回の増築に伴い、NBF名古屋広小路ビルの基準階賃貸可能面積が施工前の236坪から約100坪相当、延床面積が3389坪から約1000坪相当増加する。一棟の建物としての大型化が実現される結果、新規テナントの誘致力および既存テナントの増床ニーズ対応力など、全体としての競争力を高めることが可能になると考えており、運用パフォーマンスのさらなる向上を期待している。同物件の竣工および引き渡しは平成20年3月を予定している。
ユナイテッド・アーバン投資法人 川崎市の店舗ビル取得 安定稼働が見込める物件商圏人口は増加傾向続く
 ユナイテッド・アーバン投資法人(東京都港区)は、首都圏地域における商業施設のポートフォリオ拡充を図るため、店舗ビルの「宮前ショッピングセンター」の取得を行った。入居テナントは東証一部上場企業である食品スーパーのマルエツをはじめ、トステムビバなどの知名度がある複数の企業と長期の賃貸借契約を締結しており、稼働率は100%。今後も安定した稼働が見込める物件である。なお、物件の売主は自動車部品製造などを手がけるサンワ(川崎市宮前区)である。
 地上4階建ての物件で、土地面積は6937・55㎡、延床面積は1万7338・54㎡だ。立地条件は尻手黒川線と横浜生田線が交差する清水台交差点角地という視認性の良好なロケーションで、商圏内は首都圏郊外部としては居住密度が高く、人口も増加傾向が続いている有望な市場であると判断した。取得予定日は2月28日で、取得価格は53億1200万円である。

北弘電社 札幌市中央区の自社所有物件売却 社宅の廃止に伴い整理
 北弘電社(札幌市中央区)は所有する社宅の廃止に伴い、社宅として使用していた土地を譲渡する。同物件は札幌市中央区南13条西22丁目235にある土地で、土地面積1830・44㎡、建物面積1577・02㎡の社宅である。譲渡先は三菱地所で、物件引渡しは2月14日の予定。譲渡価格は2億2148万5000円。帳簿価額は建物・土地合わせて1億4590万8000円となっているため、固定資産売却により7557万7000円の譲渡益が発生する。
 その一方、同社の函館支社社屋が老朽化によって継続利用が困難になったため、建物の解体と支社の移転を決定している。解体する支社社屋の面積は1902・19㎡。この移転に伴う建物解体および除去による7170万円の特別損失が発生するため、差引き387万7000円を平成19年度3月期において特別利益に計上する。

CRE 入居者の希望で研究施設を開発 横浜・新山下の土地信託受益権にて購入
 コマーシャル・アールイー(東京都中央区)は横浜市中区新山下の土地を事務所・研究施設用地として平成18年5月30日付で信託受益権にて購入、「TRWオートモーティブジャパンR&Dセンター」として開発に着手している。同社は日本土地建物と信託受益献上と契約を締結し、この物件を入手している。同物件は、みなとみらい線「元町・中華街駅」から約700m、高速神奈川3号狩場線「新山下出入口」至近の位置にあり、交通アクセスは良好、商業・業務施設の立地としてニーズの高いエリアである。
 3872・25㎡の土地に、RC造の地上3階地下1階、延床面積4871・83㎡の建物を計画している。今年8月に竣工した後は、テナントとしてアメリカの大手自動車部品メーカーのTRWオートモーティブジャパンが入居を予定している。同物件は同社の希望する設備を有するビルド・トゥ・スーツ型の開発となっている。

日本レジデンシャル投資法人 札幌のマンションを取得 取引価格は19.1億円
 日本レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、札幌市中央区のRC造共同住宅「C37パシフィックレジデンス南一条」を19億1000万円で取得した。土地面積は1034・01㎡で、地下1階地上15階建て、延床面積は8526・15㎡、賃貸可能戸数は179戸を予定している。賃貸可能面積は5928・51㎡となっている。
 売主は大和ハウス工業(大阪市北区)だ。同物件は東西線「バスセンター前」駅から徒歩2分県内に位置し、交通利便性は良好であるほか、札幌市のビジネス・商業中心地の東方徒歩圏に位置するなど、札幌都心部への接近性・生活利便性に優れている。賃貸住宅の需要増が見込まれることから、周辺地域は共同住宅の建設が増加している。この物件の竣工は平成19年1月。暖房設備は省エネ型ガス床暖房給湯システムである「FACTシステムを全住戸に採用するなど、分譲仕様で設計されている。
 一般的に、建物竣工前の段階において、売買価格を含む条件を決定の上契約を締結することにより、竣工後の物件を取得するよりも優良な新築物件の取得が可能である。同物件の取得はこうした新築優良物件の確保を企図したものである。

リサ・パートナーズ M&Aコンサルの子会社を合弁設立
 リサ・パートナーズ(東京都港区)は、産業再生機構出身の大西正一郎弁護士と、松岡真宏氏とともに、事業再生およびM&Aにフォーカスしたコンサルティング会社「フロンティア・マネジメント」(東京都港区)を合弁設立した。
 これまで同社グループは、全国各地で地域金融機関と連携しつつさまざまな事業再生案件を手がけてきた。だが、事業再生やM&Aの分野において、複雑かつ高度な専門知識・ノウハウが求められるようになっている中で、事業再生やM&Aに関する専門知識と経験を有する大西氏、松岡氏とともに専門コンサルティング会社を設立することによって、同社グループのコーポレート・アドバイザリー機能をさらに拡大・充実させる。新会社の業務内容は、ターンアラウンド事業として、経営執行業務や経営コンサルティング業務などを行っていく。

阪急リート投資法人 大阪梅田・茶屋町地区の中心物件取得周辺地区の開発も進行中
 阪急リート投資法人(大阪市北区)は、ポートフォリオの充実を目的に「ヌーちゃやまち」の取得を発表した。これは、同法人が上場前に取得したHEPファイブ、北野阪急ビル、デュー阪急山田の3物権および昨年3月に取得したニトリ茨木北店に続き、5物件目の阪急阪神ホールディングス・グループからの取得物件である。同物件は、阪急阪神ホールディングス・グループの新しいマルチテナント型商業施設として平成17年10月に開業し、茶屋町地区の中心的な商業施設となっている。入居テナントはタワーレコードおよびファッションブランドなど。フロア構成は地上9階地下2階で延床面積は2万5194・25㎡の商業ビルである。立地は阪急阪神ホールディングス・グループの主要拠点である大阪・梅田エリアにおける茶屋町地区のほぼ中心に位置しており、阪急梅田駅茶屋町口から至近距離にあるという好立地条件にある。
 最近では同物件のほかに新たな商業施設も開業し、また、近い将来には大阪東急ホテル跡や阪急電鉄による茶屋町東地区の開発が計画されているなど、茶屋町地区内の回遊性向上や来街者の増加が期待されている。取得予定日は3月15日。物件の取得価格は193億円。




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