不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.06.27 11:28

KPG 沖縄県内施設でSDGs取り組みを強化 持続可能な未来実現に向け活動
ウクライナ難民に客室と就労先支援
 カトープレジャーグループ(東京都千代田区)では、KPG HOTEL & RESORTが運営する「オキナワ グランメール リゾート」と、NPO法人 Pleasure for all(プレジャーフォーオール)と連携し、沖縄県に避難予定のウクライナ避難民向けに、滞在先として同ホテル客室の提供と、希望者には就労先としての受入れを併せて進めていく計画だ。
 同法人は、これまでカトープレジャーグループ内各所で取り組んできたCSR活動を1つに集約し、より多くの人々へこの活動を届けするために2020年8月に設立されたもの。
 「持続可能な未来を実現して次世代につなぎ、より良い価値を社会に還元していくため、児童養護施設や難病に苦しむ子どもたち、LGBTQの方々の支援、観光産業の発展、教育支援、スポーツ活動支援などを中心に、カトープレジャーグループだからこそできるホスピタリティ溢れる夢の実現に向けた活動を行っています」(同社)という。
 同法人の主な活動の中でも、公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」による、難病の子どもたちとその家族へ夢と勇気を提供するため、家族全員を招待する「ウィッシュバケーション」の受入れは、沖縄県の「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」、長崎県伊王島の「i+Land nagasaki」、「京都るり渓温泉 for REST RESORT」等、全国の施設で取り組んでいる。
 今回、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて発生したウクライナ避難民を、日本政府が受入れる方針を示したことを踏まえ、同社は5月中旬より、ウクライナ避難民の受入れを進めている。
 KPG HOTEL & RESORTは沖縄県より認定を受けたSDGsパートナーシップ企業として、他者から侵害された人権と命の危機に対する支援・救済の手を差し伸べるこの取り組みを積極的に行っていく。

障がい者に雇用促進 清掃業務等を委託
 また、KPG HOTEL & RESORTが運営している「アクアセンス ホテル & リゾート」(沖縄県恩納村)は、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、一般企業に雇用されることが困難な障がい者の人々に働く機会を提供する、一般社団法人ハートリッチへ清掃業務を委託している。
 障がい者の人の雇用は、「障がい者の得意分野を見つけにくい」「現場の教育不足」「環境整備が十分でない」などの課題がある。それぞれの特性や、課題を理解していなければ、障がい者の立場の理解がされにくくなり、短期間での離職率が高くなるなど雇用する側、雇用される側双方にとって好ましくない状況となることが考えられる。 
 「アクアセンス ホテル & リゾート」は、同じくKPG HOTEL & RESORTが運営する「カフー リゾート フチャク コンド・ホテル」(同)で清掃業務の一部を委託している一般社団法人ハートリッチへ、客室や館内の清掃を単独委託することとしたもの。同団体では清掃業務を専門とする健常者スタッフが障がい者に指導、訓練を行い、さらに清掃後の点検を健常者スタッフが実施する。

金乃竹 箱根旅館の「デイユース」興味は70%に エリア旅行者回復後にアンケート
 神奈川県箱根エリアで旅館4店舗・飲食店2店舗を展開する金乃竹(神奈川県小田原市)は、「日帰り旅行」と旅館が提供をしている「デイユース」に関するアンケート調査を行った。
 同社が位置する箱根エリアの令和3年の観光客は前期比107・4%の1350万人となった。同調査は令和4年に入りコロナの感染拡大による制限が緩和されている状況下で、人々の日帰り旅行と旅館のデイユースサービスに対する意識を把握する事を目的に、行われたもの。調査方法はインターネット調査で、調査対象は東京都、神奈川県に在住の世帯所得1500万円以上で、調査人数は400人。
 これによれば、コロナウィルスの行動制限が段階的に緩和されている状況で、人々の日帰り旅行への変化は、「増した24・3%」、「大幅に増した12・5%」と36・8%が日帰り旅行への意欲が増している結果となった。日帰り旅行における片道移動時間の許容範囲は2時間以内の43・5%が最も多く、1時間以内~2時間以内の合計は57・1%となった。 
 日帰り旅行の予算は、3万円以内が28・8%と最も多く、「3万円以上」の合計は25・1%という結果となり、日帰り旅行市場でも高付加価値を提供する機会がある事がわかった。
 行動理由については、「気分転換」や「観光」に次いで、「温泉や露天風呂」日帰り旅行の目的として高い傾向が見られた。また、ハレの日需要は低い傾向があるものの、「日帰り旅行」ではなく「郊外でハレの日・食事会」という需要創出の機会があると思われる。
 旅館のデイユースの認知度は73・1%が「知っている」と回答しており、53・3%が「利用したことがある、利用を検討したい」、14・8%が「初めて聞いたが利用を検討したい」と回答している事から、68・1%が「利用したことがある、利用を検討したい」という結果となった。旅館のデイユースに期待する内容は、「料理」が60%とトップの結果となった。次に「露天風呂付き客室」52・8%、「非日常の雰囲気」51・8%と期待が高く、日帰りでもプライベートな空間で温泉をゆっくり楽しみたい傾向がみられた。
 一方、「人的サービス」への期待度が10・8%にとどまり、旅館のデイユースに期待される内容としては、料理や施設・設備への期待値が高い結果となった。

エアビーアンドビー ユニーク宿泊空間創造に開発基金
 世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb(エアビーアンドビー 本社・米国カリフォルニア州)は、世界で最もユニークな宿泊施設空間の創造を資金面で支援することを目的とした「スゴイ!」リスティング開発基金を創設した。
 この種の基金で最大規模となる約13億円の開発基金は、世界中で活躍中、または新人のデザイナーや建築家、DIY愛好家、そしてつくり手からアイディアを募集し、100件の「最高に風変わりなアイディア」を金銭面で支援する。
 同社はこの基金を通じて、100人に、極めてユニークなリスティングを集めた「スゴイ!」カテゴリに含まれるAirbnbリスティングの建築を具現化する機会を提供する。 
 「スゴイ!」リスティング開発基金は、Airbnbと、自身のデザイナーおよび起業家としての経歴から着想を得た、共同創業者兼CEOであるブライアン・チェスキーが情熱を注ぐプロジェクト。世界でも極めてユニークな部屋をつくるための資金援助となる。
 昨今のパンデミックで、人々が暮らす場所や仕事をする場所について柔軟なライフスタイルを送るトレンドが広まっていることも、この基金が誕生した1つの理由だという。この新しい暮らし方へのシフトの一環として、Airbnbゲストは宿泊先こそが旅の目的となるような部屋をさらに求めるようになっている。
 以前発表したAirbnb検索カテゴリは、こういった宿泊先を検索するための新しい方法を提供。2021年には世界中で3万件を超えるユニークなリスティングを追加。Airbnb検索カテゴリの中でも検索率がトップクラスにある「スゴイ!」カテゴリは、特に「風変わりなリスティング」を紹介することで、ゲストがこれまで見つけることができなかったリスティングを簡単に見つけることができるようになっている。

北海道ボールパークで1棟貸しヴィレッジ開業
 ファイターズ スポーツ&エンターテイメントは、2023年3月に開業する北海道ボールパークFビレッジ(北海道北広島市)の南側の水辺エリア一角に、藤井ビル(北海道札幌市)による一棟貸切のプライベートヴィラを開業させる。
 建物は、ヴィラ9棟、レセプション1棟の計10棟で、ヴィラ1棟あたり5名まで宿泊可能。フィンランド式サウナ、水風呂、ととのい空間、ジェットバスの他、専用庭、ペット専用の屋外庭・トイレ・炊事場・寝室を併設する。
 プライベートヴィラは宿泊者が建物と敷地を占有できるプライベートな空間であり、各棟それぞれ嗜好を凝らした空間を展開する。 水辺越しに新球場エスコンフィールドHOKKAIDOを望みながらサウナを楽しめるヴィラや、愛犬と一緒に快適に過ごす施設・アメニティが充実したヴィラなどを用意する。

JR九州ホテルズが関西エリアで初出店
 JR九州ホテルズ(福岡県福岡市)は、かねてより京都市下京区において建設を進めてきた新ホテル「THE BLOSSOM KYOTO」(京都府京都市)を8月26日にオープンさせる。
 同ホテルは、「この旅に、この地にひらく感動の花を」をブランドコンセプトに掲げるJR九州ホテルズの宿泊主体型ホテル最上位ブランド「THE BLOSSOM」として東京、福岡、熊本に次ぐ4施設目となり、関西地区ではJR九州グループとしても初の出店となる。
 「京都」駅より1駅の地下鉄「五条」駅から徒歩2分の立地に位置し、祇園エリアへのアクセスにも便利な京都観光の拠点となる。館内にはレストラン、大浴場のほか、フィットネスルームやゲストラウンジなどの付帯施設を備え、京都の美意識を表現するアートをちりばめるなど、ホテルでの滞在を楽しめる施設となっている。
 建物は地上9階・地下1階(客室階層2~9階)、客室数180室。レストランは、福岡市を中心に様々な業態で現在14店舗を運営するONOグループ(ディー・ディー・カンパニー)が、「京都を楽しむために、京都の縁起を愉しむ」をコンセプトとしたレストランを運営する。
 ホテルコンセプトは「やんわりつながる」。この街で受け継がれた伝統の技に現代の新たな感性が加わった作家とともに、「京都とつながる」ホテルを目指す。

個室ブースをホテルに
 ピアズ(東京都港区)の子会社である2Links(東京都港区)が展開する個室ワークブースRemoteworkBOXがホテルに採用されている。 
 コロナ禍となり働き方が変化しテレワークを導入する企業が増加している。今まで「変なホテル」では昼間帯の時間貸しで客室を利用できる“テレワークプラン”を販売してきたが、“変わり続けることを約束するホテル”として、館内に設置し、コロナ禍で変化した様々な働き方に活用できるサービス提供を開始したもの。
 ボックス内にはデスクとワーキングチェアを設置、Wi―Fi環境・電源・防音・換気設備を整えた。ボールペンや計算器などの文房具を無料貸出しする。




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