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東急不動産/鹿島建設 「九段会館」建替え事業スタート 帝冠様式の歴史的外観残す
2018.03.12 12:14
「九段会館」建替え事業スタート 帝冠様式の歴史的外観残す
東急不動産(東京都港区)と鹿島建設(東京都港区)が出資する合同会社ノーヴェグランデは、東京都千代田区にある「九段会館」および同敷地について、2018年3月1日に国との間で合意書を締結し、70年間の定期借地による九段会館の一部保存・建替え事業に着手した。
「九段会館」は1934年に「軍人会館」として完成。昭和初期の時代性を表現している建築物として希少であり、「帝冠様式」と呼ばれる外観的特徴を備え、長く九段下の景観を形成してきた。本企画は同建造物の一部を保存しつつ、保存部分以外でオフィスを中心とした高度利用を一体的に図り、「九段会館」に新たな価値を与えつつ、歴史と自然が息づくまちづくりを実現していくもの。
具体的には真正性を追求した「九段会館」の一部保存をし、保存部分は免震レトロフィット工法の採用、中性化により劣化したコンクリートの補修対策の実施、外壁のスクラッチタイルの落下防止対策の実施等により、創建時の姿を復原・保存をする。
保存部分は宴会場、カンファレンスセンター、シェアオフィス、店舗などとして活用することを予定。新築部分はオフィスや店舗を予定している。
敷地西側の牛ヶ淵沿いには歩行者デッキを計画し、親水性の高い空間を整備。歩行者デッキに面して店舗等を計画し、賑わいを創出するとともに、牛ヶ淵の自然を感じながら憩い安らげる空間としていく。また、敷地南側にも内堀通りとつながる歩行者空間を整備し、お濠端とつながる回遊性を高め、歩行者ネットワークを創出する。正面にあたる敷地北側にオープンスペースを確保し、九段会館のメインエントランスの正面性を高めるとともに、シンボルツリーの保存やイベントにも利用できる芝生広場の計画により、九段下エリアを訪れる人々が憩い安らげる空間として整備をしていく。